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落とし穴を学ぶ、ネットワーク管理4つのポイントIT導入完全ガイド(1/2 ページ)

大規模企業におけるネットワーク管理はもはや当たり前。しかしクラウドの活用やネットワーク仮想化、端末の多様化などで、これまでの手法がうまくいかなくなったという例もあるだろう。

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 大企業におけるネットワーク管理はもはや当たり前となった。しかしクラウドの活用やネットワーク仮想化、端末の多様化などのITの進化とともに、これまでの手法がうまくいかなくなったという例もあるだろう。事例を基に「必勝」マニュアルをまとめよう。

ITの進化とともにネットワーク管理ツールも変わる

 大規模ネットワークでは、ネットワーク管理ツールの導入は当たり前だ。しかし、これまではうまく管理できていたが、クラウドの利用や仮想化環境の混在により、いつの間にか管理できていないエリアができ始めてはいないだろうか。そこでネットワーク管理に関する知識をアップデートしてみよう。

 情報システム部門にとって一番避けたいのは「従業員からのクレーム」だろう。ネットワーク管理に絞っていえば、「ネットワークが重い」「つながらない」というものである。昨今、ネットワーク機器の品質や性能は大きく向上しており、単純な故障が発生する頻度はかなり低くなっている。しかし、ネットワーク管理が不要になったわけではない。新たな技術の登場により、新たな視点での監視が必要になっているからだ。

 その要因の1つは無線LANの存在だ。有線だった時代には目に見えるケーブルがあり、目でたどっていけば機器がきちんと接続されているかどうかが物理的に分かった。ところが無線LANの世界では見えない電波を把握する必要がある。しかも、無線LANアクセスポイントは社外にも乱立しており、電波の干渉状況は日に日に変わるという事情もある。

 仮想化環境におけるネットワーク管理も課題を複雑にする要因の1つだ。仮想化基盤を社内に作るメリットと言えば、作成した仮想マシンが基盤内を自由に動き回り、ロードバランシングや障害対策が容易にできるということだろう。しかし、同時に「仮想マシン間の通信経路」も動的に変化するため、通信経路を管理するという意味のフロー管理も必要になる。

 このような課題を解決するには、よりモダンなネットワーク管理ツールを知り、適切な機能を選んで導入する必要があるだろう。そして、情報システム部門が上手に問題に先回りできていれば、従業員からのクレームがあったとしても「その問題は把握済みで、既に対応中だ」と素早く回答できるようになる。

大規模ネットワークに必要な管理機能

 では、大規模ネットワーク向け管理ツールの現状をまとめてみよう。現在リリースされている多くのネットワーク管理ツールは、専門的な知識を持つエンジニアだけでなく、兼任のオペレーターでも直感的に利用できるようにグラフィカルなダッシュボードが用意されているのが特徴だ。

 この「見てすぐ分かる」という直感的な操作は、これからのネットワーク管理には必須機能といえる。特に無線LAN環境の管理に特化したツールでは顕著だ。アクセスポイントから発せられる電波が、クライアントにどう届くのかを直感的に確認できるだけでなく、無線LAN特有の「干渉」や「チャネル利用率」なども表示できる。これまでの有線LANだけを対象としたツールでは確認できなかった項目だ。

無線LAN環境の「可視化」
図1 無線LAN環境の「可視化」。図はAirWaveの例(出典:日本ヒューレット・パッカード)

 そしてもう1つ重要なポイントは、何かトラブルがあった時、あるいはトラブルが発生しそうになった時に適切なアラートが行われるかというものだ。いくら管理画面が分かりやすくなったとしても、その画面に24時間365日張り付く必要があっては意味がない。

 アラートの手段はメール、電話などのほか、部内に設置した警報ランプが点灯するなど異常発生に対して即座に気付ける仕組みとも連携が可能だ。さらに、そのアラートと同時に特定の処理が行えるような仕組みがあると、ある程度の自動化も可能になる。

 例えば、ネットワーク負荷が上がってきたときに、機器のCPU使用率やメモリ使用量を確認したり、あるいは再起動を行ったりできれば、初期対応まで自動的に行える可能性がある。ツールによってはこの処理内容をフローチャートの形で定義可能だ。プロセスの確認やDNSルックアップ、ファイルのチェックなどを行って、アラートの送信や再起動などのアクションを自動処理できる。

アラート処理定義機能
図2 アラート処理定義機能。図はOpManagerの例(出典:ゾーホージャパン)

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