どの製品を「どんな視点で」選べばいい? 「CRM」の選び方:そこが知りたい!CRM
CRMの重要性が分かっても、「どの企業の、どのシステムを選べばいいのか?」という悩みが浮かび上がってくるのではないでしょうか。CRMを選ぶ際に注意したいポイントを幾つか説明する。
顧客と良好な関係を結ぶための考え方であり、それを実現するシステムであるCRM。しかしCRMの重要性が分かっても、今度は「どの企業の、どのシステムを選べばいいのか?」という悩みが浮上してくるのではないでしょうか。
CRMとひと口にいっても、あなたの会社の業界や規模によってCRMを利用する目的や現在抱えている課題も随分変わってきますし、それにより自社に合った適切なシステムも異なります。また、オンプレミス(自社設置)型にするかクラウド型にするか、そしてもちろんコストと機能のバランスも重要な検討事項です。
今回は、CRMを選ぶ際に注意したいポイントを幾つか説明したいと思います。
従業員の声をよく聞き、CRM導入の“目的”をはっきりさせる
一番大切なのは「現在の課題は何か」そして「CRM導入によって何を達成したいのか」を明確にすることです。これらをあいまいにしたまま導入してしまうと、運用に失敗してしまうことになりかねません。
CRMシステムに関連する全ての部門のニーズや要望を洗い出し、リストを作成して、優先順位を付けましょう。このリストはCRMソリューションの選択に役立つだけでなく、導入後の目標の達成度合いや、投資額に対する利益の割合(ROI)の測定にも利用できます。
そして、従業員の要望を実現するために、CRMの機能で何が本当に必要かを考えます。初めてCRMソリューションを導入する場合、ありとあらゆる機能を含んだ包括的なものに目を奪われがちです。
しかし、「いつか使うかも」という考えでフルパッケージを選ぶと、結局使いこなせずにその分のコストが無駄になる可能性が高くなります。特に必要のない機能を含んだCRMに手を出すのではなく、あなたの会社が本当に必要としている機能を備えた、使いやすいシステムを選ぶべきです。
オンプレミス型にすべきか、それともクラウド型か?
自社サーバで構築するオンプレミス型(パッケージ型とも呼ばれている)とクラウド型(ASP型、SaaS型とも)にはそれぞれ長所と短所があり、一概にどちらがいいとはいえません。
クラウド型はオンプレミス型に比べ迅速に導入でき、初期費用が安いという利点があります。しかし、導入後はユーザー数に応じた月額費用がかかるので、利用期間が長くなるほどコストがかさんでしまう傾向にあります。一般には2年以上で、クラウド型の方がオンプレミス型の総費用よりも運用コストが高くなるといわれています。
一方、オンプレミス型の場合、運用や保守には専用ITスタッフが必要になります。社内にITリテラシーの高いスタッフがいなければ、外部の人間を雇わなければ運用がうまく回らない可能性が高いでしょう。また、初期費用がかかるため「実業務にシステムが合わない」「せっかく導入したのに使いこなせない」など、運用がうまくいかなかった場合、損失が大きくなります。
どちらにするか決められない場合は、まずクラウド型を試してみて、成果が出ればオンプレミス型へ移行するというのも1つの方法です。この他にも「カスタマイズができるかどうか」「セキュリティは強固であるか」「導入時および導入後のサポートシステムは充実しているか」なども、選定時に確認すべきポイントです。
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