情報システム部門が抱える情報共有とナレッジマネジメントの課題(2016年)/前編:IT担当者300人に聞きました(1/2 ページ)
情報システム部門が抱える情報共有とナレッジマネジメントの課題を調査した。「導入ツール」「期待感」など共有状況が明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年2月3日〜22日にかけて「情報システム部門が抱える情報共有とナレッジマネジメントの課題」に関するアンケートを実施した(有効回答数392件)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の35.5%、一般部門が64.5%という構成比だった。
前編では、社内での「情報共有の状況」や「導入したツール」「取り組み範囲」「取り組みを始めたきっかけ」「導入する上での期待」など企業におけるITによる情報共有の取り組み状況を把握するための質問を実施した。その結果、ITによる情報共有の主流はメールであるが、SNSやメッセージングアプリといった情報系ツールも用途によって使い分けている方向にあることが明らかになった。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値は丸め誤差により一致しない場合があるが、事前にご了承いただきたい。
イントラネットが根強い大企業、SNS利用が倍増した中小企業
最初に「社内コミュニケーション・情報共有」の状況を尋ねた(図1-1)。その結果、「まあまあできている」が62.8%、「よくできている」が4.7%、「あまりできていない」が27.6%、「できていない」が4.9%となった。まとめると、全体では67.5%が「できている」、32.5%が「できていない」となり、回答者の3割以上がコミュニケーションや情報共有に不便を感じていた。
続いて「ITによる情報共有において導入しているツール」を聞いた(図1-2)。その結果、1位は「電子メール」で94.6%、2位は「イントラネット(EIP、社内掲示板含む)」で67.6%、3位は「グループウェア」で65.8%、4位は「メーリングリスト」で48.5%、5位は「文書管理ツール」で30.9%、6位は「社内SNS」で12.0%という結果となった。
従業員規模別に見た場合、特に「イントラネット(社内掲示板含む)」「メーリングリスト」においては、従業員規模が1001人以上の大企業での利用割合が全体値を大きく上回っている。
また業種別に見ると、IT製品関連業ではその他の業種に比べて、2014年調査と同様にメーリングリストの利用割合が多いことが分かった。前年との比較では、「イントラネット」「メーリングリスト」「社内SNS」の伸びが大きく、「イントラネット」「メーリングリスト」ともに7ポイント以上増えており、今なおメールの利用率が圧倒的に高く、社内コミュニケーションツールの主力であることが本調査で明らかとなった。
伸び率では、「LINEなどのメッセージングアプリを利用」は2.3%から4.6%に、「FacebookやTwitterなどの1機能を利用」が1.4%から3.3%に、それぞれ倍増している。同時にこれらのツールは、大企業や中堅企業よりも中小企業での導入率が顕著に高いことから、情報管理に厳しい企業では業務利用が敬遠されがちである半面、手軽さや無料である点が中小企業での業務利用を後押ししていると見てよさそうだ。
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