Web会議もセキュリティも、シスコ低価格ラインアップの本気度:KeyConductors
シスコの中小企業向け製品ラインアップ「Cisco Start」の第2弾が登場。見積もりをオンラインで請求できる「Cisco SMBマーケットプレイス」も開設した。
シスコシステムズは2016年4月6日、中小企業向け製品ラインアップ「Cisco Start」シリーズの第2弾として、クラウドを活用したセキュリティサービスなどを追加した。同日から導入キャンペーンを開始、日本各地の販売パートナーと顧客をオンラインでマッチングするマーケットプレースも開設する。
Cisco Startは、2015年にシスコが日本市場向けに打ち出した従業員数25人から100人程度の中小企業向けに中小企業向け製品ラインアップ。ルーター、スイッチ、ファイアウオール、ワイヤレス機器などがあり、ダッシュボードやGUI管理画面から簡単に扱える点が特徴だ。
シスコシステムズ専務執行役員パートナー事業統括 高橋慎介氏は「シスコ製品は大企業のもの、技術資格保有者がメンテナンスするものという従来のイメージを払拭(ふっしょく)する、低価格でエンドユーザーが使いやすいインタフェースを備えた」と製品の特徴をあらためて説明した。
高橋氏は、「個別の製品売り切りのビジネスよりも、統一された製品を提供することでメンテナンスやサポート面でも利益がある」と、製品リセラーであるパートナー企業の利点と強調する。
今回の発表では、日本市場向けの独自の機能拡張が行われているという。
その1つが、使用ポートなどの特徴を基にしたシグネチャベースで通信アプリケーションの状況を可視化する機能だ。業務外のアプリケーションによる通信を検出し、必要に応じてGUI操作で簡単にブロックできる。
Web会議システム、セキュリティ対策サービスを追加
また、新たなサービスとして、Web会議システム「WebEx」と「クラウドWebセキュリティ(CWS)」を追加した。
WebExは、インターネット回線を利用したWeb会議システム。音声通話や画面共有などの機能を持つ。
CWSは、シスコが提供するクラウドサービスを利用したセキュリティ対策サービス。ルーターからCWSサービスに接続することで、危険が疑われるWebサイトへのアクセスを遮断したり、ダウンロードコンテンツのウイルスチェックを行ったりできる。標的型攻撃メールのリンクURLを誤ってクリックした場合でも通信を遮断、危険なデータをダウンロードしてしまうリスクも低減できるという。
高橋氏は「中小企業の場合、通信機器に関しては大手企業のように数年おきにリプレースするケースは少なく、ほとんどが機器の故障や業務上のボトルネック解消を意図して買い替えを検討する。そうした場合に、リプレース以上の価値を、リプレースと同等かそれ以下の価格で提供できる」と、2つの機能強化の意義を説明した。CWSサービスについてはエンドポイントセキュリティソフトウェア導入よりも費用が抑えられるケースもあるという。
シスコでは、同日よりCisco Start製品の見積もりをオンラインで請求できる「Cisco SMBマーケットプレース」を開設する。2016年度中に50程度の販売パートナーを獲得し、「どの都道府県であっても、複数の販売パートナーを選択できる体制を整えていく予定」(シスコシステムズマーケティング本部長 鎌田道子氏)としている。
なお、マーケットプレース掲載の製品価格はあくまでも「参考価格」であり、詳細見積もりは各販売パートナーが行うとしている。
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