せっかく導入したのに、CRMシステムが失敗してしまう理由:そこが知りたい!CRM
CRM導入はしたもののうまく使いこなせず放置しているという失敗事例をよく耳にする。失敗事例を幾つか取り上げ「なぜ失敗してしまったのか」という理由を探る。
CRM(顧客管理)システムの導入によって顧客と良好な関係を構築し、業績向上を実現している企業が数多くある一方で、導入はしたもののうまく使いこなせず結局使わずに放置しているという失敗事例もよく聞かれます。
今回はよくある失敗事例を幾つか取り上げ、「なぜ失敗してしまったのか」その理由を見ていくとともに、どうすればこうした残念な事態を回避できるのかを説明したいと思います。
CRMのよくある失敗事例
導入目的が曖昧なままCRMを導入すると、十分な効果を上げることができません。多額な費用を投じて導入したのに、結局Excelと変わらない顧客リストや単なるデータベースとして使用されているといったケースも存在するのです。
こうした事態に陥らないためには、自社の課題、営業やマーケティング、カスタマーサポートなど各部門のニーズ、CRMに期待する効果などを、導入前に“明確”にしておく必要があります。またCRMを実際に利用する担当者への説明を徹底し、理解してもらうことも重要です。
CRMの導入前分析/目標設定が行われていない
事前に現状分析を行い、定量的に問題を把握していないと、導入効果が分かりにくくなります。また評価指標を設定しなければ費用対効果が見えなくなり「無駄なシステム」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。
導入後の効果を定期的に測定し、最初に設定した指標と照らし合わせる必要があります。
導入体制が確立していない、導入後のフォローがない
CRMを運用していくには、社内全体の合意が求められます。さまざまな部門がそれぞれ異なるニーズや目的をもってシステムを利用するため、部門間の橋渡しをしたり調整を行うプロジェクトチームやまとめ役がいたりしないと、導入そのものがうまくいかないという事態も起こり得ます。
こうしたチームやまとめ役は、CRM導入後も運用体制を維持していく上で非常に重要です。「導入さえすればなんとかなるだろう」というのは大きな間違いで、質問や改善してほしい点があっても、フォローする担当者がいなければ放置されてしまい、CRMの効果が薄れてしまいます。
データ入力作業が面倒で後回しにされる
CRM導入の失敗例としてよく挙げられるのが、現場の営業担当がデータを入力してくれないためデータが蓄積されず、活用できないというケースです。システムが導入されると、営業担当者の日常業務にデータ入力業務がプラスされるため、これが「余計な仕事」と見なされ、後回しにされてしまうからです。
この問題を回避するには、データ入力ができるだけ簡単に行えるツールを導入することが1つ。もう1つはデータがどのように活用され、売り上げアップや顧客満足度向上につながっていることを営業担当者にきちんと納得してもらうことです。
お金と時間をかけて導入したCRMを「無用の長物」としないためにも、こうした失敗事例と同じ轍を踏まない努力が必要です。
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