最新ネットワークカメラはどう選ぶ? 押さえておきたい7つのポイント:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
ネットワークカメラ特有の課題は? 敷設済みのイントラネットでの利用は? 導入前に押さえておくべきポイントを確認しよう。
最後にネットワークカメラの選び方について述べておこう。導入の手順は(1)カメラの設置場所を決める、(2)カメラの機種を選定する、(3)どのような映像情報が欲しいかを決める、(4)適切な機能、性能、容量のレコーダーを選定するという流れになる。
ネットワークカメラの機種はどう選べば良いか?
上記(1)(3)と密接に関わるが、まずはカメラのタイプを選ぶ必要がある。例えば屋内用と屋外用では大きな違いがある。またPTZ機能が必要か否か、低照度性能の高い機種が必要か否か、全方位タイプが向いているか否かなどを設置場所に即して考える。1つのシステムでも設置場所によってさまざまなタイプのカメラが必要になることが多い。
タイプが決まればベンダーのWebサイトやカタログ、営業担当者への質問、提案要請などを行って、適切な機種を選定することになる。選定に際しては、日本防犯設備協会が実施しているRBSS(優良防犯機器認定制度)の認定基準が参考になる。RBSSには、MTBF(平均故障間隔)3万時間以上、640×240画素以上の画像サイズ、1秒4コマ以上の記録能力、1秒1コマで1週間以上の記憶容量があること、屋外での人物撮影などには最低照度0.5ルクス、屋外の水平面(地面)撮影や屋内撮影には最低照度3ルクスなど、防犯用途のカメラが最低限満たすべき細かい基準がある。
それらをクリアした製品がRBSS認定製品となる。従ってRBSS認定証がある製品なら、防犯目的での利用適性があるということになる。この認定の有無が1つの製品選びのポイントになる。また、上述したONVIF規格への適合も、特にマルチベンダーのシステム構築では大事な目安になる。
どのような映像情報が必要なのかで決まる画角と撮影位置、解像度
全方位タイプのような広角カメラは基本的には室内や屋外でも監視対象が見渡しやすい場所に設置することになるのであまり考えることもないが、それ以外のカメラでは画角・撮影位置・解像度が問題になる。画角は人物や物品をどのくらいの大きさで表示できるかの単位と考えればいい。
人の表情、車のナンバー、レジでのお金の種別などが鮮明に分かるようにするにはある程度距離が近くなければいけない。人物や車の有無を知りたいときには距離が遠くてもよく、広い範囲が映せる方がいい。人や車の流れを見たいときはもっと遠い所にカメラを設置する必要がある。多くのカメラに画角調整機能があり、RBSSでは光学的に画角を2倍に調整できることを求めている。
インテリジェント機能も重要で、特に逆光時の映像補正、感度調整機能などは、常時鮮明で判別可能な映像を得るためには必須といえる。また監視対象エリアが広いほど、高解像度のカメラが望ましい。一部を拡大しても十分に必要な映像判別ができるようにするためだ。
形状や汚れへの対応にも注意
あえて典型的な監視カメラ然としたカメラを設置し、不正抑止効果を狙う場合もあれば、従業員や顧客などの不快感を呼ばないように目立たない形状にする場合もある。さまざまな形状のカメラが選べる状況になっているのでニーズに合わせて選べる。
特に屋外設置のカメラは風雨に耐える頑丈さと汚れ対策に注目したい。汚れ対策としてはカバーに特殊なコーティングをして汚れの付着を防ぎ、清掃作業を不要にする製品などもある。
レコーダーの選び方は?
レコーダーの方にもRBSS基準があるので、やはりその認定を受けた製品を候補にするのが良いだろう。その上で必要な解像度に対応するか、記録容量は十分か、冗長化による安全措置はできているか、操作性は適切かなどの観点で選ぶと良い。実際にはカメラを選定した時点で対応するレコーダーは絞られるので、ベンダーが推奨するレコーダー機種が自社に本当に適切なのかどうか、自分自身で評価できるだけの知識は身につけておきたい。
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