重要ファイルの消失や破損に“最後の切り札”となるか? 「データ復旧ソリューション」の実力:IT導入完全ガイド(2/4 ページ)
「えっ、ウソ……消えている」。誤操作にHDD破損などで突然データが消失。そんな時やりがちな“あの行動”が被害を広げてしまうかもしれない。
「データ復元ソフトウェア製品」と「データ復元サービス」
データ復旧ソリューションは、大きく分けて「データ復元ソフトウェア製品」と「データ復元サービス」の2つのジャンルに分かれる。前者は量販店でパッケージ製品が比較的に安価に入手できる。近年ではオープンソースの製品が出てきたこともあり、個人ユーザーによる導入、利用が大半を占めている。
一方、中堅・中小企業における法人ニーズや、データ復元サービス業者における一括導入のニーズも、常に一定数存在する。また近年では、公的機関による捜査において、消された証拠ファイルを復元するフォレンジック作業のために用いられるケースも増えている。
データ復元ソフトウェア製品は、海外製品やオープンソースのものも含めると膨大な数が存在するが、国内ではAOSデータの「ファイナルデータ」と、ジャングルの「完全データ復元PRO」の2製品が半数以上のシェアを占めている。
一方、データを消失してしまった機器やメディアを業者が預かり、復元作業を一括して代行するデータ復元サービスは、もともと法人のニーズが多く、近年ではますます依頼が増えているという。その背景には、震災による災害対策やBCPへの意識の高まり、あるいはタブレット端末のビジネス利用の広がりなどがある。比例して、データ復元サービスを提供する業者数も増えつつあるが、その一方でサービスの品質や契約を巡るトラブルも増えており、業者選びに慎重を期す必要が出てきているのも実情だ。
データ復旧の仕組み、方法とは?
データ復元の対象となるデータ破損には、大きく分けて「論理破損」と「物理破損」の2種類がある。論理破損とは、HDD装置のハードウェア自体には何の問題もないものの、その中に記録されているデータを誤って削除してしまったり、あるいは何らかの原因で論理的な整合性が取れなくなり読み取れなくなってしまったケースを指す。データ復元ソフトウェア製品は、この論理破損によって見えなくなってしまったファイルの復元を試みるものだ。
ユーザーがWindows上でファイル削除の操作を行っても、実際にはファイルデータそのものがその場でHDD上から消去されるわけではない。HDD上に記録されているデータの配置を管理するテーブル上で、そのデータの領域に「削除フラグ」が立てられるだけだ。
従って、誤ってファイルを削除してしまっても、その直後であれば大抵の場合はデータ復元ソフトウェア製品を使って復元できる。データ配置の管理テーブルの内容と実際にHDD上に記録されているデータの内容などを自動的に精査し、元ファイルの内容を類推した上でファイルの復元を試みる。
一方、ファイルの削除後に同じ領域に別のデータが上書きされてしまうと、ファイル復元の確率はがくんと落ちてしまう。従ってファイル復元ソフトウェア製品を使って復元を試みる場合、データを削除した直後の状態をなるべくそのまま保全しておくことが重要となる。
ここで、実際にデータ復元ソフトウェアを使用してデータ復旧を試みる際の操作イメージを紹介する。
基本的には案内に従いながら復旧対象のファイルを選択し、復旧を試みるだけのシンプルな流れ。これならPCやソフトウェアの操作に慣れていない人でも問題なく進められそうだ。
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