なぜ注目されるのか? 超高速開発ツールの基礎知識:IT導入完全ガイド(2/3 ページ)
「超高速開発ツール」の名のもとに、さまざまな開発支援ツールがアプリケーション開発の現場で利用されている。この超高速開発ツールにおける基本的な仕組みを紹介しながら、メリットについて解説する。
ここで、超高速開発ツールの基本的な動きについて見ていきたい。多くの超高速開発ツールは、大きく3つのステップで開発を進めていく。細かな手順はそれぞれ異なるものの、よく挙げられるのが「DB設計」「ビジネスロジック設計」「画面設計」の3ステップだ。共通しているのはGUIによって設計作業が容易になっていることだろう。
DB設計
まずはアプリケーション開発用のスペースをプロジェクトとして設定し、データベースの項目や属性、桁数などスキーマ情報を登録する。製品によっては、この段階で画面設計で利用する部品の動きを設定しておくものもある。
また、既存のDBが既に設計されていれば、そのスキーマ情報を自動的に取り込んで自動生成することが可能なものもある。まずはこの設計がしっかりできるかどうかが重要であり、実は超高速開発ツールに求められるのはDB設計のスキルだともいわれている。
ビジネスロジック設計
スキーマ情報を設定したのちに、業務に必要なフローを画面上で設定していく。ERモデリングを行うようなイメージで、エンティティごとの関連性をひもづけながら実際のビジネスロジックを設定していくケースが多い。ここでデータの登録や更新、参照、呼び出しなど各種コマンドを選択し、実際の業務に即した形でフローが作られていく。業務フローが可視化されることで、第三者がプログラム改修を行う場合でも、何の処理がどう関連付けられて行われているのかが容易に把握できるようになる。
画面設計
画面に表示する入出力項目を選択し、ドラッグ&ドロップで簡単に配置することで、画面帳票が簡単に制作できる。項目ごとの関連性も設定でき、プレビュー画面で実際のイメージを確認しながら画面設計が可能になる。外部サービスを簡単に呼び出せるような設定も可能なものもあり、例えば特定の画面にGoogleMapを表示させるといったこともマウス1つで簡単に設計できる。
画面設計については、従来の業務をExcelなどのスプレッドシートで運用してきたという企業も実際にはかなり多くあり、その使い勝手の良さを再現したいというニーズも少なくない。そこで、スプレッドシートのような形式や操作性で利用できるデータグリッドやグラフ表示の機能を持った製品も登場している。従来の使い勝手を維持したまま、超高速開発ツールを用いて業務アプリケーションを作成することができるようになっている。
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