急速に普及するオンラインストレージってどんなもの?:そこが知りたい!オンラインストレージ
社内データの管理や大容量データのやりとりなどを低コストで行う目的で導入する企業も多く、法人を対象としたオンラインストレージサービスも増えた。
オンラインストレージとは、インターネット上で利用できるファイル保管用のスペースで、クラウドストレージとも呼ばれます。ファイルの保存やバックアップ、共有、ファイルの転送が主な用途です。
近年、社内データの管理や大容量データのやりとりなどを低コストで行う目的で導入する企業も多く、法人を対象としたオンラインストレージサービスが増えています。今回はオンラインストレージがどのようなものなのか、分かりやすく説明します。
拡大するオンラインストレージ市場
私たちが取り扱うデータ量は日々増え続けており、今後も増加の一途をたどることは間違いありません。それに伴い、大量の重要なデータをどのように保管するかが重要な課題となっています。
従来、データはオンサイト、つまりローカルサーバや外付けを含むHDD、USB、DVDなどで保存されてきました。しかし、物理的な保管場所が必要となり、どうしてもコストが高くなりがちです。そのうえ、ポータブルメディアでは紛失や盗難のリスクも生じます。
そのため、クラウド上にデータを保存できるオンラインストレージサービスが急速に市場を拡大しています。調査会社のStatistaでは、世界のクラウドコンピューティングにおけるストレージサービスの売り上げは、2010年の約6億4000万ドルから、2016年には40億4000万ドルまで成長すると予測しています。
これほどまでにオンラインストレージが広まった理由は、データの単純な保存だけでなく、さまざまな活用方法があるためです。ファイルがクラウド上に置かれるため、いつでもどこからでもアクセスできます。また、他の社員と同じ資料を同時に編集するような共同作業や電子メールの添付では送信できないような大容量ファイルのやりとりも可能になります。
無料サービスと有料サービスの違いは?
オンラインストレージの多くには、無料で使えるものと利用料金が発生するものとがあります。無料で使えるものの多くは個人向けとして提供されるサービスが多く、一方で法人向けとして提供されるものは無料の試用期間があるとはいえ、有料サービスであることが一般的です。
最近では、個人向けサービスであっても大容量のストレージ領域を利用できます。そのため、業務で利用するファイルを個人で契約したオンラインストレージに保存する人もいます。しかし、このような利用では情報漏えいにつながる可能性を否定できません。
第1に、そもそも社外に持ち出すべきではない重要情報を勝手に保存してしまう問題が考えられます。他にもアップロードしたファイルの設定を間違え、世界中の誰もがアクセスできる状態にしてしまう可能性があります。
有料で提供される法人向けサービスでは、このようなリスクを解消するために、ID管理機能やアクセス制限機能、IPアドレスによる閲覧制限機能、利用ログの管理機能などを備えています。法人で利用するのであれば、このようなセキュリティ面にも配慮された法人向けサービスを利用すべきでしょう。
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