導入すると運用はどうなる? EMM導入/運用の具体例:IT導入完全ガイド(2/3 ページ)
「EMMレポートってこんな内容なのか」。EMMツールを実際に導入、運用する場合のイメージを事例も交えて紹介する。
EMMツールによるモバイルデバイス運用管理
本番運用以降は、運用設計に基づき運用管理を行うことになる。デバイスは一元管理可能になり、その状態をツールからいつでも参照でき、全体を俯瞰してさまざまな視点からレポートにすることができる。
管理画面は見やすさや分かりやすさをベンダーが競っており、海外製品も日本語化しているので、セキュリティ機能について学習していれば、設定作業やその変更作業に習熟するのにそれほど時間はかからない。デバイスの利用制限に関する設定の一例を図6に示すが、ほぼチェックボタンをクリックするかリストから選択するかの作業となり、デバイス個別またはグループごとにポリシーを作成し、適切に配信までを行うことができる。ツールによってはプロファイルを強制的にインストールすることも可能だ。
アプリや共有ファイルの管理も同様に管理画面から簡単に状況把握、ポリシー適用ができ、万が一の場合の緊急対応なども簡単に行える。図7は業務用のセキュアアプリに関するアプリ管理の一例だ。
しかしデバイスの導入規模が大きいとそれなりの管理負担は覚悟しなければならない。セキュリティパッチや、アプリのアップデートはしばしばあり、業務プロセスも日々変更されるため設定をそれに合致させなければならないからだ。またデバイスの新規導入や廃棄、利用者の変更なども頻繁に起きる。証明書を運用する場合は配布や利用停止、有効期限などに気を使うことも多い。
ほとんどの企業でEMMツールによる運用管理は他業務と兼務になるだろう。できるだけ細部にわたって、作業が効率化できるツールを選ぶのが得策だ。また運用を肩代わりしてくれるサービスも提供されているので、場合によっては相談してみるとよいだろう。
【導入事例】グローバルなBYOD実現のためにEMMのセキュリティ機能を活用
グローバルにビジネス展開する国内大手化学製品メーカーでは、BYODを実施しており、情報共有基盤にGoogle Appsを採用した上、SFAやオンプレミスシステムの一部もモバイルデバイスから利用可能にした。その運用管理はモバイルアイアンのEMMツールが担っている。MAM機能とセキュアアプリの利用により情報漏えいリスクを防ぎ、AD/LDAP連携可能な証明書による認証を利用して不正アクセスやなりすましを予防できた。
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