オンラインストレージ、覚えておきたい3つの基本機能:そこが知りたい!オンラインストレージ
オンラインストレージを簡単に説明すれば、ネット上に用意されたデータ保存領域を事業者から借りるサービスだ。オンラインストレージの基本的な機能を3つ紹介する。
オンラインストレージ(クラウドストレージ)を簡単に説明すれば、ネット上に用意されたデータ保存領域を事業者から借りるサービスです。ストレージという名前が示す通り、その基本機能はデータファイルの保管です。インターネットに接続できる環境さえあれば、世界中のどこからでも、いつでも、さまざまな端末でファイルにアクセスできます。今回は、オンラインストレージの基本的な機能を3つ紹介します。
データの保管
文書、写真、動画など、さまざまな形式のデータが保管できます。これがオンラインストレージの最も基本的な機能といえるでしょう。例えば、業務中に会社のデスクトップPCで作成した文書ファイルをオンラインストレージに保存(アップロード)しておけば、営業先や出張中の移動時間などに手元のタブレット端末からアクセスして、表示したり修正したりといった作業が可能になります。
また、クライアント端末のデータバックアップを目的としてオンラインストレージを利用するケースもあります。サービスによっては、ローカル環境の特定のフォルダに保存したデータを自動的にオンライン側に同期する機能を備えるものもあります。こうすることで、ローカル環境のHDDに故障が発生したり、デバイスそのものを紛失したりしてもデータを失うリスクが解消できます。
さらに、データはローカル環境に残さず、全てオンラインストレージに保存するという使い方も考えられます。スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)、ノートPCは持ち運びに便利ですが、紛失や盗難というリスクも存在します。万が一、端末を紛失したとしてもローカル環境にデータが残されていなければ、データそのものが流出するリスクを減少できるでしょう。
ただし、いずれの使い方にせよ、業務で使う上ではユーザー認証やアクセス制御といったセキュリティ機能を併用することが肝心です。無料で使える個人向けオンラインストレージサービスの機能では、セキュリティ面で足りない部分があり得ます。導入時にしっかりと確認しておきましょう。
データの共有
オンラインストレージは、ファイルサーバのように複数人で利用することも可能です。法人向けサービスでは、部署単位やプロジェクト単位でフォルダを作成し、ユーザーIDなどを制限することで、決められたメンバーのみがファイルを共有できます。
また、フォルダ単位、ファイル単位で「閲覧のみ」「編集可能」といった権限管理ができることが一般的です。ファイル共有機能を活用することで、データが社内に散逸することを防ぎ、情報が一元管理できるようになります。
さらに、文書の共同作成作業が効率化できます。例えば、複数部署にまたがるプロジェクトでは専用のフォルダを作成し、その中で資料を共同作成するといった使い方が考えられます。ローカル環境で資料を作る従来型作業を進めると、関係者の数だけ「最新」のファイルが作られ、どれが本当の最新版か分からなくなることがありますが、オンラインストレージを活用することでファイルの世代管理が可能になります。
また、このような作業では、メールに資料を添付して共有することも考えられます。この場合、データが重複したり、宛先から漏れてしまったりといった問題が発生します。中には、メールサーバの容量制限のために添付ファイルが削除されてしまうケースもあり、データそのものが消失する可能性もあります。オンラインストレージの中には、メールサーバと連携して添付ファイルを自動的にストレージに保存し、メール本文にはアクセス用のURLだけを記載する機能を備えたものもあります。
ファイルの転送
上述のデータ共有と似ていますが、社外の関係者にデータを転送する機能も便利です。この場合、データをダウンロードするための専用リンクを書き出し、それをメールやメッセンジャーで共有する方法が一般的です。動画ファイルのようなメールの添付では送信できないような大容量ファイルであってもデータの共有が可能になります。
サービスによっては、転送したファイルをダウンロードさせることなくプレビュー機能で閲覧させるだけにとどめたり、データを受け取った相手が何らかのアクション(プレビューやダウンロード)を起こしたら送信者にメールで通知したりといった機能を備えるものもあります。
オンラインストレージを活用することで、社内外でのコラボレーションの活性化が期待できるでしょう。
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