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ニッポンならではの会議事情、非効率な会議を変える「考え方」と6つの会議支援ツールIT導入完全ガイド(2/2 ページ)

「この定例会議、意味あるの?」「会議に時間を取られすぎて残業に」。不満を持つ人も多いのに、なぜ無駄な会議は減らないのか。

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情報共有ツール

 先に紹介した通り、日本企業における会議の多くは、チームメンバー間での情報共有のために開催されている。しかし、グループウェアや社内SNSといったコミュニケーション、コラボレーションツールを普段から有効活用すれば、これまで会議で行ってきた情報共有の多くの部分をカバーできる。

 また会議で話し合う議題について、あらかじめ情報共有ツールを使い参加メンバー間で意識合わせを行ったり、あるいは会議資料を共有しておいたりすることで、会議そのものを無駄なく進行できるようになる。ITツールを有効活用して、普段から従業員同士のコミュニケーション・コラボレーションを活性化しておくことで、会議の無駄を減らせるのだ。

遠隔会議システム

 音声会議やTV会議、Web会議といった遠隔会議システムの仕組みを導入・活用することで、企業は2つの点において会議の在り方を大きく改善できる。

 1つ目は、遠隔地への出張回数を減らすことで出張コストと移動時間を減らすことができるため、コスト削減と生産性向上の効果が期待できる。特に全国に支社を持つ企業や海外拠点を構えるグローバル企業においては、出張を減らすことによるコスト削減効果はかなり大きい。

 2つ目は、遠隔地と手軽に会議を開催できるようになることで、コミュニケーションやコラボレーションが深まる効果が期待できる。既に音声会議やTV会議のシステムは広く普及しており、近年ではPCやスマートデバイスから気軽に利用できるWeb会議も使われるようになってきた。こうした手軽に使えるツールの活用は、モバイルワークや在宅勤務の促進によるワークスタイル変革にも大いに寄与する。

会議室管理システム

 会議をスムーズに運営する上で、「会議スペースの制約」が障壁となることが多々ある。会議を開催しようと思っても、会議室は常に予約がいっぱいで空きがない。やむなく会議の開催を延期したり、わざわざお金を払って貸会議室を借りたりする。しかしよく調べてみると、実は予約で埋まっていたはずの会議室は使われていなかった。

 こうした「空予約」などの問題を解消し、限られた会議室スペースの利用効率を最大化するために役立つのが「会議室管理システム」だ(図2参照)。新たなタイプの生産性向上ツールとして、現在多くの企業から高い注目を集めている。さまざまな導入効果が期待できるこのシステムについては、次週掲載の「4部屋中1部屋は“空予約”の実態! 人感センサーにログ分析……、会議室予約システム最新事情」で個別に取り上げて詳しく紹介したい。

図2 会議室予約システム設置例(Crestron Fusion)
図2 会議室予約システム設置例(Crestron Fusion)(出典:日本クレストロン/イトーキ)

電子ボード

 音声会議やTV会議を使った遠隔地との会議は、互いの声や姿は確認できるものの、資料やドキュメントを共有しながら議論する時には苦労することもある。例えば「資料のここの部分」「この設計図のここを」といった細かな内容を伝えるために、わざわざカメラの前に紙の資料やPCのディスプレイを持っていかなくてはならないなど、不便を強いられる場面も少なくない。

 こうした課題を解決できるのが、遠隔接続機能付きの電子ボードだ。大型タッチディスプレイ上に、ドキュメントコンテンツや、その場で描いた絵などを映し出し、その内容を遠隔地にあるもう1台のデバイスとリアルタイムに共有する。「書き込み」や「編集」といった操作も相互にリアルタイムに行いながら、資料を用いた深い議論を遠隔地同士で行うことが可能になる(図3参照)。

図3 電子情報ボード「SMART Board」
図3 電子情報ボード「SMART Board」(出典:内田洋行)

電子付箋

 会議における議論の効果を高めるための手法として、発言内容を付箋に記し、ホワイトボードに貼っていくというものがある。これをそのまま電子化したのが「電子付箋」と呼ばれるツールだ。会議の参加者が端末を通じて入力した内容を集約し、付箋のイメージで仮想的なホワイトボード上に配置して、皆で共有できるというものだ。

 SNSやチャットツールを使ったコミュニケーションに慣れている若いビジネスパースンの中には、口頭ではなかなか自分の意見を表明しづらくても、端末に打ち込むテキスト情報としてなら自身の考えを堂々と発表できるというタイプも少なくない。電子付箋は、そうしたメンバーの意見も引き出しやすくなるというメリットがあるほか、付箋をうまく配置することで次にとるべきアクションやToDoリストを明確化し、会議後のフォローにそのまま生かすこともできる。

画面共有ツール

 最近では、プロジェクターや大型ディスプレイを使ってPCの画面を大きく映し出し、それを皆で見ながら議論を進める会議スタイルが多くの企業で定着している。しかし、プロジェクターやディスプレイ装置の設定、PCとの接続に手間取ってしまい、貴重な会議時間を浪費してしまったり、あるいは互いに持ち寄った資料を映し出すためにいちいちPCをつなぎかえる必要があったりと、その不便さが気になる場面も多い。

 しかし近年では、そうした課題を解消するツールも提供されるようになってきた。例えば、内田洋行が提供する「ClickShare」という製品は、小型のUSBデバイスをPCに接続するだけで、PCの画面を外部ディスプレイに簡単に映し出せるほか、複数のPCの画面を並べて同時に映し出すこともできる(図4)。

図4 ワイヤレスプレゼンテーション機器「ClickShare」
図4 ワイヤレスプレゼンテーション機器「ClickShare」(出典:内田洋行)

 こうした一見ささいに見えるような細かな利便性の向上が、結果的に会議の効率を大幅に向上させることもある。まずは自社の会議では今、具体的に何が問題になっているのかを洗い出すところから会議効率化の取り組みを始めるべきだろう。

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