遠隔会議システムの利用状況(2016年):IT担当者300人に聞きました(1/3 ページ)
キーマンズネット会員299人にアンケート調査を実施した。遠隔会議システムの使用頻度や導入時の重視ポイントなどが明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年7月22日〜8月8日にかけて「遠隔会議システムの利用状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数299件)。回答者の顔ぶれは、立場として「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」が56.2%、「情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場」が28.4%、「一般部門で製品選定を検討し、かつユーザーとして利用する立場」が15.4%となった。また、企業規模別では、従業員数1001人以上の「大企業」が41.1%、101〜1000人の「中堅企業」が39.1%、100人以下の「中小企業」が19.7%という構成比だった。
今回は、「遠隔会議システムの利用状況」について、「導入状況」「導入済み(予定)のシステム、タイプ」「使用頻度」「導入時の重視ポイント」などを明らかにしていく。なお、本稿における「Web会議」は、PCやインターネット回線を利用するものとし、「ビデオ会議」は、専用端末や専用回線を利用するものと区別する。
グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることをあらかじめご了承いただきたい。
遠隔会議システムの導入はほぼ一巡か?
まず、遠隔会議システムの導入状況について聞いたところ、全体では「導入済み」が68.2%、「検討中」が9.0%、「必要性を感じない」が22.7%だった。従業員規模別で見ると、大企業で82.1%、中堅企業で67.5%、中小企業で40.7%の導入率となった(図1-1)。従業員数が多くなるほど国内外における拠点数も多くなる傾向にあることから、導入済みの割合が大きくなる傾向にあるようだ。
また、今回の結果を2年前(2014年)の調査と比較してみると、導入済みの割合は、全体では3.2ポイントの微増にとどまったが、中小企業では26.2%から40.7%と1.5倍以上に伸びた。中小企業における伸びが全体をわずかに押し上げた格好だ。
次に、「導入済みの遠隔会議システム」および「導入予定の遠隔会議システム」は何かを聞いた。導入済みでは、全体で「Web会議のみ(23.4%)」「Web会議とビデオ会議と電話会議(21.4%)」「Web会議とビデオ会議(16.9%)」と続き、導入予定では、全体で「Web会議のみ(45.7%)」「ビデオ会議のみ(20.0%)」「Web会議とビデオ会議(14.3%)」と続いた。
図1-2の「導入済みの遠隔会議システム」の設問は単一回答形式であるため、Web会議、ビデオ会議、電話会議それぞれの合計を出してみると、導入済みでは以下のようになる(表1)。
導入済みの機器の割合と、導入予定のそれを比べてみると、Web会議の割合はほとんど変わらないが、ビデオ会議は12ポイント(約2割)減、電話会議は26ポイント(約6割)減っている。ユーザーは、「ビデオ会議はあってもいいけど、電話会議はいらない」と考えているようだ。
そこで、「導入予定システム」を2年前(2014年)と比較してみたい。2014年調査での導入予定システムは、このような内訳であった(表2)。
Web会議、ビデオ会議、電話会議とも2年前のほうが導入意欲は高かった。ここ2年間で遠隔会議システム全体の導入率が微増にとどまったことを踏まえると、Web会議の新規導入は一巡しつつあると考えてよさそうだ。
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