IT資産管理ツールの導入状況(2016年)/後編:IT担当者300人に聞きました(2/3 ページ)
キーマンズネット会員297人を対象にアンケート調査を実施した。IT資産管理ツールを導入しない理由などが明らかになった。
安定性、セキュリティ関連機能の充実、管理可能PC台数が上昇傾向
次に、IT資産管理ツールの選定時に重視した(する)ポイントを1位から3位まで回答する形で聞いた。
1〜3位の合計では、IT資産管理ツールを導入済みでは「管理項目・機能(39.6%)」「導入コスト(39.6%)」「安定性(34.0%)」「運用コスト(33.3%)」「セキュリティ関連機能の充実(26.4%)」「操作性(25.7%)」の順となっているが(25%以上の項目)、導入予定では「運用コスト(55.2%)」「導入コスト(48.3%)」「セキュリティ関連機能の充実(32.2%)」「管理項目・機能(27.6%)」「安定性(26.4%)」「実運用の容易さ(25.3%)」の順となった(図3-1・2)。
導入済みと導入予定とを比較すると、導入予定の回答者にはコストとセキュリティを重視する傾向が見られる一方で、導入済みの回答者からは(導入後に)操作性と安定性を重視する方が増えることが見て取れる。
前編でも紹介したが、満足度に対する設問で「やや不満がある」「とても不満がある」とした回答者のフリーコメントで「操作性が悪い」「ちゃんと管理されていない」という意見が目立って多かったことに通ずるところからも、既存のIT資産管理ツールが抱えている課題と見てよいだろう。
また、「セキュリティ関連機能の充実」と「サーバ1台当たりの管理PC台数」に関しては、1〜3位の合計値に対し1位に挙げている比率が高いことが分かる。
さらに、導入済みについて1〜3位の合計で2013年調査時の結果と比べると、「安定性」と「セキュリティ関連機能の充実」「サーバ1台当たりの管理PC台数」の3項目に対する要求レベルが上がっていることに気付く。
セキュリティは時代の流れとして経営課題に及ぶほど重要になってきていることから強化せざるを得ないと同時に、サーバ1台でどこまで安定して多くの端末を管理できるのかという、ランニング時のコストパフォーマンスにこだわる姿勢が強まっているようだ。
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