富士キメラ総研の調べによれば、2016年度のグループウェアの市場規模は、パッケージ製品が163億円、SaaS製品が884億円で、合計1047億円と見込まれている。
クラウド活用の拡大に伴い市場はSaaS優位で推移している。パッケージ市場は、セキュリティへの不安や個別カスタマイズによるSaaS移行が困難なユーザーなどに支えられているものの、今後も縮小していくとみられている。また、SaaSは製品ごとに得意とする機能が異なるため、1社で複数ベンダーのサービスを使い分ける場合もあり、これも市場拡大の一要因となっている。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、パッケージで1位のベンダーは、既存ユーザーの大規模なライセンス需要があり50.3%。2位は大手企業のプライベートクラウド需要を獲得し16.0%で、3位は横ばい傾向で推移し12.9%である。SaaSの1位は、テレワークの特設ページを設けるなどして訴求を進め71.3%。2位は14.5%で、大規模ユーザー向けには一巡した感があり、現在は1000ID未満の企業を中心に開拓が進んでいる。3位は7.9%で、同社のパッケージ製品と併用できるライセンス体系を用意している。
政府は在宅勤務など柔軟な働き方への対応を企業にも求めており、職場とのコミュニケーションツールとしてグループウェアの活用が、今後一層重要になっていくとみられている。
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