最新ワークフローツールの役割と7つの導入メリット:IT導入完全ガイド(1/4 ページ)
さまざまな業務プロセスの中で、伝票や帳票などと呼ばれる紙の書類がつなぎ役を果たしてきた。紙は便利だが、業務のボトルネックにもなり得る。ワークフローツールは、業務改革を進める重要なツールの1つだ。
オフィス、工場、物流現場などでさまざまな業務プロセスが動いているが、伝票や帳票などと呼ばれる紙の書類がプロセス間のつなぎ役を果たしてきた。その種類は多く、またそれに目を通して承認する担当者や管理者の数も多いのが日本企業の特徴ともいえる。
紙の帳票は便利だが、業務のボトルネックにもなり得る。そこで紙に依存する業務プロセスの見直しが進むことになる。今回注目する「ワークフローツール」も業務プロセス改革を進める上で重要なツールの1つだ。あらためて最新ワークフローツールの役割を把握し、導入のメリットは何かを考えてみよう。
ワークフローツールの役割とは?
ワークフロー(Workflow)は、文字通り「仕事の流れ」を指す。仕事は、必ずしも連続的なプロセスを経るとは限らないが、一定の流れがあるはずだ。あるプロセスから次のプロセスへの節目を記録しておくことが業務の証跡になり、税務監査や内部統制、コンプライアンス調査のよりどころにもなる。
ワークフローツールの基本的な機能は、業務プロセスの各段階で必要な人間による「承認」を確実にとり、その記録を保存することだ。交通費精算、物品購入、新商品提案など、複数人が責任を分担して承認する作業の多くは、定型の書類を用いる。起案者が署名やなつ印をして申請するところから始まり、事前に定められたルートに従って上司や担当者などの承認権限者へと回覧され、最終責任者の承認が終わると決裁(ゴール)だ。
その書類は税法、会社法、労働基準法、その他の各種法令の定めるところに従って、1年から10年、場合によっては永久に保管することになる。書類の改ざんや勝手な廃棄は許されないため原本性を確保しなければならない。それと同時に無用のアクセスを制限しながら業務分析に活用したり、監査のために検索しやすくしたりする必要もある。
電子帳簿保存法(1998年)やe-文書法(2004年)が整備され、国税関連書類は電子的な保存が一部認められるようになった。さらにJ-SOX法施行(2006年)後は、内部統制実施の目的に沿ってデジタル化が進んだ。このような流れの中でワークフローツールが広く普及するようになった。
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