事例で理解するワークフローツールの最新活用法:IT導入完全ガイド(1/3 ページ)
ツールの機能が洗練されたことに加えて、クラウド(SaaS)型ツールも使いやすくなり、より現場の業務に近い部分での活用が広がり始めているワークフローツール。導入事例を基に最新活用法について考えてみる。
かつてワークフローツールの導入契機となったのは、稟議(りんぎ)の省力化や経費精算、勤怠管理(休暇申請)などの効率化ニーズがほとんどだった。今日ではツールの機能が洗練されたことに加えて、クラウド(SaaS)型ツールも使いやすくなり、本社と店舗、工場など地理的に離れた拠点間での作業指示など、より現場の業務に近い部分での活用が広がり始めている。今回は、導入事例を基にワークフローツールの最新活用法について考えてみる。
実は高かった、日本企業のペーパーレス化への意識
日本企業の業務プロセスには、伝票や帳票といった紙をベースとした連係が分かち難く組み込まれている。ではユーザー側では、“紙文化”をどのように捉えているのだろうか。米アドビが日本と欧米諸国の6カ国を対象に実施したペーパーレス化に関する意識調査の結果が面白い。
まず、「紙による書類作業が生産性を妨げているか」という問いかけには、調査対象の6カ国全体では「全く低下しない」(17%)、「少し低下する」(68%)、「かなり低下する」(15%)という結果となった。「少し低下する」と「かなり低下する」を合計すると83%だが、この値を日本だけで切り取ってみると3ポイント上回って86%となる。紙をベースとしたワークフローに対する危機感の表れと考えてもいいだろう。
また、同調査によれば「書類は紙でなければダメだ」という人は、欧米企業と比較すると英国とならんで最も少ない(図1)。
では、なぜペーパーレス化が進まないのか。ここでも「紙が好きだから」という回答は6カ国の中で最も低い。一方で「方法が分からないから」という回答が22%と最多となっている(表1)。
つまり、日本企業では欧米と比べてペーパーレス化への抵抗は少ないのだが、ペーパーレスを推進するための手法に対する知識が欠けているわけだ。
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