富士キメラ総研の調べによれば、2016年度の国内ワークフロー市場は、パッケージが78億円、SaaSが7億2000万円の合計85億2000万円と見込まれている。基幹系システムとのリアルタイム連係による業務統制案件が堅調なほか、利用中の当該製品をグループ企業へと展開するグループ統合案件も増加傾向にあり、拡大基調で推移している。
ユーザー固有の要件が多くパッケージを主体とする市場であるが、グループウェアなどの情報基盤とともにクラウド化需要が高まっており、2016年度の案件数のうち15〜20%がクラウド基盤での稼働とみられる。SaaS市場は10〜30人規模のユーザーが中心であったが、2015年ごろから従業員数500人前後の中規模案件が市場をけん引している。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、パッケージでは数万人規模の案件などが好調な1位のベンダーが28.2%、2位は14.1%で新電子帳簿保存法への対応を強化している。SaaSでは、1位のベンダーが先行してSaaSビジネスの展開を積極的に推進しており41.7%と引き続きシェアトップ、2位は8.3%で業種問わず導入実績が拡大している。
今後、IoT領域においてセンサーなどで収集した情報を蓄積・分析し、人の判断を極力介さずスムーズに次のアクションにフィードバックするなど、当該製品とAIの活用が注目を集めていくほか、電子帳簿保存法改正に対応した需要拡大が2017年度以降に本格化するものとみられている。
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