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BCPとバックアップツールの導入状況(2016年)/前編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

キーマンズネット会員401人にアンケート調査を実施した。BCP(事業継続計画)の対応状況やバックアップツールの導入状況などが明らかになった。

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バックアップツールの導入率は2年前から18ポイント増

 次に、現在のバックアップツールの導入状況を聞いた(図3)。全体では、「既に導入済みである(追加リプレースなし)(66.3%)」と「既に導入済みである(追加リプレースあり)(11.5%)」を合わせた「導入済み」が8割近くに上った。

 一方で、未導入の2割強のうち、「新規で導入を検討している」は0.7%にとどまっており、全体の2割以上は導入を予定していない。特に中小企業は「導入済み」と「導入予定なし」が6対4の割合で二極化している。

 これらの結果を2年前の調査結果を比べてみると、バックアップツールの導入率は、全体で18.1ポイント増加しており、特に中小企業では26.5ポイントも増えている。同時に、「必要性を感じない」層が大幅に減少していることも分かった。

現在のバックアップツールの導入状況
図3 現在のバックアップツールの導入状況

 最後に「自社のBCPに関して、課題を感じる部分や意見」をフリーコメントで聞いた中から、目を引いたものを紹介しておきたい。

  • BCPマニュアルが「どこの会社の話?」という代物になっており、実効性に疑問がある
  • 委託元からBCPに関しての要求条件が提示されない場合が多い。または、提示されても当該対策に所要な費用を認めてもらえない
  • 安否確認システム以外の訓練を実施していないので、実働できるのか不安
  • 訓練を実機相当で実施したいが、机上のもので終わっている
  • 個人使用PCのバックアップが個人任せで具体的な手法も提供されていない
  • 自家発電装置がないため、長時間の停電対応ができない(UPSはある)
  • 災害発生時の対応訓練が浅いと感じている。メールによる安否確認の訓練や、ビルからの避難訓練は何回か実施しているが、基盤システム障害時の対応訓練などがされていない
  • マニュアルなどは確認しているが、実際の訓練をしていない
  • データセンターでデータは守られているが、社内用PCでないと使用できない

 これらのフリーコメントを見ると、BCPは策定されているものの、いざというときに本当に対策として役に立つのか不安に思っている方が多いようだ。

 前編では、これまでの災害に関する業務への影響状況やBCPの施策状況、バックアップツールの導入状況などをレポートした。後編では「導入済みのバックアップツールを導入した際の目的」「バックアップの頻度と形式」「バックアップするデータの対象」「バックアップツールを導入した際に重視したポイント」などについてレポートする。

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