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最新規格「IEEE 802.11ax」がやってきた、最新無線LAN事情IT導入完全ガイド(1/5 ページ)

多くの企業が利用する無線LAN。2016年後半からは登場した802.11ac Wave2対応の製品に続き、新規格「IEEE 802.11ax」のドラフトが決定した。乱立するIoT向けサブGHz帯の動向など、無線最新動向を解説する。

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 ネットワークにアクセスする通信手段として一般的に利用されるようになった無線LANだが、今でも新たな規格策定に向けた動きが活発化しており、その進化に終わりは見えない。現在は既に1Gbpsを超えるほどのスループットを実現している規格が中心となっており、2016年後半からは802.11ac Wave2対応の製品が登場するなどさらなる高速化への期待が高まっている。

 今回は、無線LANにおける現状について振り返りながら、IEEE 802.11axをはじめとしたIEEE 802.11規格にまつわる最新情報について詳しく見ていこう。同時に、無線LANとは異なるものの、乱立しているIoTに向けたサブGHz帯の無線規格についてもあわせて紹介していきたい。

2017年現在の無線LAN事情

 1997年にIEEE 802.11の規格が登場してから20年あまりが経過し、今では個人法人問わず、多くの製品が市場に展開されている。現在最新の規格として市販されているのがIEEE 802.11ac対応のアクセスポイント(以下、AP)で、従来利用されてきた11a/b/g/nにも対応したモデルとなっている。

 このIEEE 802.11acに対応した汎用(はんよう)チップセットは、これまで先行していた802.11ac Wave1から切り替わり、最大伝送速度が1.7Gbpsの802.11ac Wave2が入手可能となっており、価格的にもWave1とそん色のない金額で市販されている状況だ。中には、ハイエンドモデルとして5GHzで2.167Gbpsもの伝送速度を誇るモデルを提供しているところもある。

 2017年は802.11ac Wave2搭載のAPが中心となってくるのは間違いない。ちなみに、IEEE 802.11acでは最大6.9Gbpsまでの高速化が理論上可能な規格となっている。

 なお、無線LANの互換性の認証などを行っている業界団体「Wi-Fi Alliance」のWi-Fi認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED ac」に合格したものが「Wave1」「Wave2」と区分されており、IEEE 802委員会によって標準化されたものとは仕様が異なる。Wave1やWave2の表現にはIEEEという表記は行わないのが一般的だ。

図1 IEEE 802.11規格における物理層速度の変遷
図1 IEEE 802.11規格における物理層速度の変遷(出典:NTTドコモ)

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