富士キメラ総研の調べによれば、2016年のモバイル決済サービスの市場規模は、19億5000万円と見込まれている。
2015年度はICカードの統一規格「EMV」への対応が進められ、安全性が向上したことにより、クレジットカード決済端末(CAT端末)を導入していた店舗で当該サービスへの乗り換えが進んでいる。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、1位はECモールをはじめとする総合Webサービスベンダーでシェア33.3%。EC店舗への提案だけでなく、CAT端末でクレジットカード決済を行っている店舗に対する置き換えも進めており、当該サービス経由の取り扱い額が急速に拡大している。2位のベンダーは28.2%で、展示会やイベント会場でのスポット利用も進み、稼働台数ベースではトップシェアである。3位は23.1%で、小売業だけでなく、電気・ガス、保険などのサービス業もターゲットとしている。
手数料が負担でクレジットカード決済を導入できなかった店舗での新規導入や、既存CAT端末導入店舗でのリプレース導入に加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や国土交通省による観光立国構想による外国人観光客の増加に伴い、当該サービスを導入してクレジットカード決済に対応する施設や店舗が増加するとみられ、当該市場は引き続き拡大傾向で推移すると予想される。決済手数料は各社で大きな差はなくなりつつあり、今後ベンダーの淘汰(とうた)が始まるだろう。
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