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ソニーのDNA入り、最新クラウド映像プラットフォーム「Safie」登場(1/3 ページ)

IoTカメラプラットフォーム「Safie」が登場した。Safieは他のネットワークカメラと何が違うのか?

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 2016年3月2日、ソニー系IoTベンチャーのセーフィーがクラウド型映像プラットフォーム「Safie(セーフィー)」の提供開始を発表した。

 Safieはネットワークカメラ大手のアクシスコミュニケーションズのカメラに搭載されている「ACAP」(AXIS Camera Application Platform)上で独自アプリケーションを稼働させ、「オンラインバンキング並みのセキュリティ」と「ネットワーク帯域を有効利用した高品質映像と効率的データ通信」を両立、防犯監視やマーケティング情報収集を低コスト・高品質で実現するという。

 記者発表会では、その機能と仕組みについてセーフィーの佐渡島 隆平社長とアクシスコミュニケーションズのマーケティング本部の佐藤秀一マネージャーが紹介し、ユーザーの立場からソフマップの渡辺武志社長が同社事例を解説した。

モバイルデバイスでの映像と来店者数の計測データの表示デモ(発表会場内)
モバイルデバイスでの映像と来店者数の計測データの表示デモ(発表会場内)

カメラが自らデータを処理し、送信する

 Safieの最大の特徴は、カメラ自体が備えるアプリケーション実行環境に対応するSafieのカメラ側アプリケーションにより、カメラ自身が映像の情報処理とデータ送受信を行うことだ。これには2つの面で利点がある。

 1つはセキュリティだ。一般的なネットワークカメラシステムでは、外部からネットワーク経由でカメラにアクセスして映像を取得、利用する仕組みを採るが、最近のIoT機器を狙うサイバー攻撃ではこの手法を悪用し、ユーザーパスワードを推測してカメラへの不正アクセスを行い、DDoS攻撃の踏み台に仕立てる手口が横行している。正当ユーザーに成り済まして映像が盗み見られる事例も少なくない。

 Safieでは、個々のカメラが得た映像などのデータはカメラ内で即座に暗号化され、保存することなくインターネット上のSSL/TLS経路を介してクラウド上のsafieサーバのみに送信し、映像などの情報の保管はクラウド側で行う仕組みをとる。カメラ内と通信経路上でデータは全て暗号化されており、不正アクセスの成功確率は非常に低い。映像やデータはsafieアプリが導入されたPCやモバイルデバイスからsafieクラウドにアクセスすればいつでもどこでも確認できるが、その通信経路もSSL/TLSによる暗号化で守られる。

Safieクラウドプラットフォームの利用イメージ
Safieクラウドプラットフォームの利用イメージ

 加えて、カメラ側のセキュリティ機能も生かされている。アクシスコミュニケーションズの佐藤氏によると、同社カメラの不正アクセス対策は4段階だ。

スマートフォンでの映像確認の例
スマートフォンでの映像確認の例

 導入時にパスワード設定が必須であること、3段階のユーザーアクセス権限が設定可能なこと、ファームウェアおよびACAPの設計段階から脆弱(ぜいじゃく)性の排除に努め、同社内のハッキング対策専門チームによる脆弱(ぜいじゃく)性検証を出荷前に行い、脆弱(ぜいじゃく)性が発見された場合でも迅速に対応可能な体制を敷いていること、さらにSSL/TLS接続を加えて、セキュリティに万全を期しているとのことだ。なお、同社カメラは802.1X認証にも対応しており、パスワード運用よりも厳密なアクセス制御も可能である。

店舗内映像と来店者人数の分析グラフの同時表示の例
店舗内映像と来店者人数の分析グラフの同時表示の例

 こうした厳重なセキュリティ機能とデータ容量の「小ささ」により、従来の監視カメラシステム導入の負担を軽減すると同時に、マーケティングなど防犯用途以外の多用途にカメラを活用できるようにするのがSafieのコンセプトである。このコンセプトを具現する際、鍵となったのが、アクシスコミュニケーションズの「ACAP」の存在だ。

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