レノボがテレワークで変える「介護離職」と「単身赴任」問題(2/2 ページ)
3月9日、レノボ・ジャパンが「テレワークデー」を開催。レノボがテレワークをここまで注力する理由は「介護離職」と「単身赴任」の問題を解消するためだ。平均年齢46.6歳(男性)の企業が取り組むべき施策とは。
レノボがテレワークで変える「介護離職」と「単身赴任」
レノボがテレワークにここまで注力する理由は、社員のライフステージが、企業にとって、そして社員にとってのリスクになり得るという事実があることだ。
複数社が統合したレノボグループでは、従業員の平均年齢が男性は46.2歳、女性が42.7歳となっている。また、40歳代以上の社員、いわゆる「介護世代」が全社の77%を占めているという。優れた社員が、親の介護のために退職せざるを得なくなる状況を防ぐには、オフィス以外の場所でも働ける環境が必須となる。
レノボ人事部は、テレワークを推進することにより「介護離職ゼロ宣言」を掲げている。既にその需要は多く、2017年4月から北海道で家族を介護し、テレワークで勤務するという試みも行う社員もいる。
そしてもう1つ、レノボがテレワークで変えるのは「単身赴任」だ。2017年度の取り組みとして、単身赴任者を解消する試みも同時に行っていく。この単身赴任者も99%が「介護世代」であり、これを解消することで社員の健康面、精神面でのリスクを解消できる。さらに、テレワークを活用して地方で働く「ふるさと人事」導入も検討されている。
攻めのテレワークを実践し、日本でも「多様性」のある働き方を
もともとレノボは多くの国に拠点があり、働き方に関しては寛容な文化がある。米国ではテレワークが当たり前だが、日本においては制度的に遅れていた部分もあった。
レノボ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、NECパーソナルコンピュータの社長を兼任する留目真伸氏は、「テレワークを進めることで多様な人材を企業に引きつけることができる。プロジェクト推進においては従業員の持てるパフォーマンスを最大限に発揮できる環境作りが重要だ」と述べる。その上で、介護離職ゼロ宣言、単身赴任者解消宣言は重要だという。
さらに、「IoT(モノのインターネット)時代においては、業界、企業の枠を超えた共創が重要。これを実現するためには、従業員が外に出て、自分以外の会社はどんなことを考えているのか、どこをつなげればいいサービスが作れるのかを考える必要がある。テレワークはあらゆるファンクションをつなげ、それによって新しい世の中をデザインできる」と留目氏は述べる。
「未来型企業の要件は「ツール」と「ビジョン」と「ルール」。そのルールの1つとしてテレワークがある。レノボは他社との共創を生む「攻めのテレワーク」を今後も続けていく」(留目氏)。
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