せっかく導入したのに続かない、Web会議導入の失敗例:そこが知りたい!Web会議
せっかく導入したのに全然社員に使ってもらえない。Web会議は、操作に不安、不満を覚えられると一気に使われなくなるツールだ。
期待して導入したWeb会議サービスですが、「あれ?」と首をひねってしまうような事態に陥る会社もあります。「思ったより予算がかかってしまう」「うまく使いこなせない」などの声が代表的でしょう。
失敗例を見てみると、自社に合わないWeb会議サービスを選んでしまった、自社の運用体制が整っていなかったなどさまざまです。いくらローコストでスタートできるからといっても、いったん走り出してしまうと、なかなか後戻りがしにくいもの。事前に失敗しがちなポイントを押さえ、便利なWeb会議サービスを長く活用できるようにしたいものです。今回は典型的な失敗例をお話しします。
事前検討や調査不足でうまくいかないWeb会議導入の失敗例
コスト削減やコミュニケーションの活発化など、いろいろな期待を持って導入したはずのWeb会議ですが、「コスト削減になるどころか費用が増えそうだ」「コミュニケーションが活発になると思ったらそうでもなくて困った」といった失敗談が聞かれます。それらの失敗要因を確認してみましょう。
(1)自社の環境をよく理解せず「自社のネットワーク環境に合わない」サービスを選んでしまった
何のために活用するのか社内でよく検討しないまま、何となく導入した場合に起きがちなのが「自社のネットワーク環境に合わない」Web会議サービスを選んでしまったという失敗です。
例えば、自社のネットワーク環境がよくないところに、音質、画質のことを考えずにWeb会議サービスを導入してしまい、画面が見づらかったり、声が聞き取りにくくなったりして、せっかくWeb会議を導入したのに、逆に打ち合わせの効率が悪化してしまったという例があります。従業員からは不満が出て「やっぱり出張が必要だ」ということになりかねません。音質の悪さ、画質の悪さはWeb会議参加者のモチベーションを下げてしまいます。
この場合、自社のネットワーク環境をよく把握しておき、それに合った最適なサービスを選ぶ必要があったわけです。
(2)オプションの追加、利用者数の増加などで結果的に高くついてしまった
「もっと音質、画質のよいコースにしたい」とサービス内容を変更したり、あれこれオプションを追加したりするようになる場合もあります。また、(1)のような問題に直面して、ネットワーク環境そのものを見直し、新たな工事を行うことにもなりかねません。そうすると結局コストが膨らんでしまいます。
また、ローコストで導入したいためにクラウド型のサービスを選んだのに、利用人数が多くなり、月々のアカウント費用が増え、オプションなどを追加した分と合わせると、サーバインストール型(オンプレミス)にした方が元を取れるまでの期間が短かったということもあります。導入前にベンダーの説明をよく聞いて、試算を行っておくことが必要ですね。
(3)サポートが悪いサービスを選んでしまった
はじめてWeb会議を導入するような会社では、何かとサービス提供ベンダーに問い合わせる場面が多いはずです。24時間365日サポートしてくれるベンダーでないと困りますね。また、そういった場合、電話がすぐつながるかどうかもポイントです。そうでないと、社内からのクレームに忙殺されてしまい、また、Web会議の利用に関して従業員がみんな後ろ向きになってしまうでしょう。
この「サポートの良しあし」については、使い始めてみないと分からないということもあります。無料試用期間があるサービスであれば、使い勝手を確認することができますので、利用することをお勧めします。
(4)自社の運用体制が整っていなかった
Web会議のようなカメラ、PCを通しての打ち合わせ方法に慣れておらず、打ち合わせがうまくいかないケースも多いです。Web会議に慣れない人たちは、カメラに向いて話しかけることで、「誰が誰に話しているのか」「誰が答えればいいのか」などに戸惑い、モタモタしてコミュニケーションロスが起きがちです。その場に居れば雰囲気で分かるようなことも、なかなか伝わりません。環境によっては、回りのノイズでお互いの話が聞きづらいということもあり得ます。
慣れない会社では、Web会議でのローカルルールを作っておき、「発言時にはこうする」「ファシリテーター(進行役・まとめ役)を必ず置き、その指示で進める」などを決めて進行します。また、ノイズ対策としてはWeb会議に適したヘッドセットマイクなどを購入するのも手でしょう。
サービスそのものに良しあしがある一方で、自社の導入目的の曖昧さや、関係部署との情報共有や事前調査などが不十分であることが原因で起きてしまう失敗も多いことが分かります。導入前に「そもそも何のためにWeb会議サービスを導入するのか?」「それにどれだけ予算をかけるべきなのか?」ということを社内でよく検討し、共有しておくべきですね。
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