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業務PCのバックアップ先を賢く選ぶ方法IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

業務用PCを組織として保護する必要性は理解できたが、普通のバックアップでは容量も世代管理もままならない。効率の良いバックアップ先を賢く選ぶ方法を指南する。

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約20台のクラウドバックアップで、コスト試算は年間20〜25万円

 さらにこのクラウドバックアップサービスでは、利用開始に当たっても面倒な作業は一切不要だ。バックアップ対象となるPCに管理者側からエージェントを一斉配信し、全社共通のポリシーでいいなら、管理者が1日設定作業をすれば済む。

 またエンドユーザーに自分でバックアップデータの選択をしてもらう場合でも、図3のようにユーザーインタフェースは非常に直感的なので、わざわざ勉強会を開催する必要もない(ただし管理者向けの勉強会は必要に応じて実施)。

 当然世代管理も可能で、機能的は無制限で世代を管理することができる。ただしそれでは、バックアップ先のストレージ容量も無制限で増えていくことになるので、現実的は、大体10世代までのバックアップが1つの目安となるようだ。

 ちなみにこのサービスで一番多いボリュームゾーンは、従業員数100人規模の組織で約20台のPCを対象とするバックアップで、大手企業なら部署単位、中小企業なら全社で利用するというパターンだ。大まかなコスト概算としてはホットストレージを1人当たり200GB(×20人分)コールドストレージを組織全体で1TB利用する場合で、年間20〜25万円、月平均で約2万円とのことだ。

推定サイズ算出ツールの利用で現在/将来に必要なストレージ容量が試算できる

 PCバックアップにどれだけのコストがかかるかは、当然ながらバックアップ対象となるデータ容量に大きく依存することになる。そこで企業にとっては、必要となるストレージ容量を事前に十分に見極めることが非常に重要なテーマとなってくる。

 元データのサイズが2000GBの時、重複排除を利用せずに、初回のみフルバックを行い、以降は増分バックアップで7世代まで保存する場合のストレージ使用量の見積もり例(2380GB)を紹介したが、ここでは同じ条件で、バックアップツールの重複排除を利用したときには、どれだけのストレージ容量で済むのかを試算してみる。

 必要となる推定ストレージ使用量は、「フルバックアップするデータ容量+(増分バックアップのデータ容量×保存世代数」という計算式で算出されるが、前回紹介した製品では、重複排除機能によって2000GBの元データを770GBにまで低減することが可能となり、フルバックアップの10%として計算される増分バックアップのデータ容量も1世代当たり77GBに抑えることができる(重複排除ブロックサイズが16KBの場合)。こうして算出される推定ストレージ使用量は1309GBとなり、元データの全体容量より約2割も少なくて済むことが分かる(図4参照)。

図4 バックアップに必要なストレージ使用量の見積もり例(重複排除を利用したとき)
図4 バックアップに必要なストレージ使用量の見積もり例(重複排除を利用したとき)(出典:Arcserve Japan)

 この推定サイズ算出ツールは、管理者がバックアップデータを格納するための復旧ポイントサーバ(Recovery Point Server:RPS)を立ち上げた後、コンソール画面から起動することができるようになっている。

 RPSが、先の重複排除なども提供するもので、この推定サイズ算出ツール上で、保存されるデータの推定サイズや重複排除可能なデータの割合、圧縮可能なデータの割合を入力することで、バックアップ用としてどれぐらいのストレージ容量が必要か、また半年後にはどれぐらいになりそうか、などの推定値を得ることができる。

 こうして必要なストレージ容量が明らかになれば、投資すべきデータ保存コストも見えてくる。使い勝手とともにPCバックアップツールの重要な要件となるコストについても、ユーザー企業に大きな示唆を提供してくれる重要な機能だといえる。

図5 推定サイズ算出ツールの画面例
図5 推定サイズ算出ツールの画面例(出典:Arcserve Japan)

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