富士キメラ総研の調べによれば、2016年度の国内ルーター市場規模は、1071億円と見込まれている。ハイエンドルーターが、キャリアやISP、データセンター/クラウド事業者、CATV事業者といった事業者の通信サービス、データセンター/クラウドサービスのインフラに利用されているほか、ミドルレンジルーターがサービスインフラやイントラネット構築における大規模拠点に、ローエンドルーターがイントラネット構築における中小規模拠点に利用されている。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、1位のベンダーが46.9%で、固定/移動体キャリア向けにハイエンド製品を提供するほか、イントラネット向けのミドルレンジ、ローエンドも提供する。2位は固定キャリアにハイエンドルーターを提供していて、16.8%と横ばい。3位は移動体キャリア向けにハイエンド製品を提供しており、微減の10.9%。4位は6.0%で、首位のベンダーと共同のハイエンドシリーズの販売が縮小しているほか、ローエンド製品ではVPNサービスでの需要が一巡し減少傾向となっている。5位は4.9%で、公共/流通の大型案件終了の影響が大きかった。
ローエンドルーターは、自動販売機、FA機器、医療機器などの監視にも利用される。近年各メーカーがIoT対応製品の投入検討やIoT向け需要獲得に向けた提案を進めており、今後、市場が徐々に拡大していくと考えられている。
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