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データセンター最新ファシリティ事情IT導入完全ガイド(3/6 ページ)

エンタープライズシステムのクラウド化が相次ぎ、データセンター需要も高騰気味だ。最近ではサービスを意識した付加価値を売りにする事業者も出始めている。

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データセンターのファシリティ標準とは?

 国や地域によって地震の発生頻度や商用電源の信頼性などにばらつきがあるため、事実上データセンターにおける国際標準の評価指標は存在していない。ただし、日本でいえば日本データセンター協会が定めている「ファシリティスタンダード」と呼ばれるものが存在している。このスタンダードでは、ティア1〜4の指標でデータセンター施設の信頼性を評価しているため、各データセンターの設備能力を知るにはもってこいの規格だ。

 なお、金融業界において公益財団法人 金融情報システムセンター(FISC:The Center for Financial Industry Information Systems)が出しているFISC安全対策基準など、業界独自の基準で評価しているところもある。

課題が顕在化した「老朽化」問題

 今稼働中のデータセンターの多くは、2000年前後に建てられたものが圧倒的に多く、建設後15年あまりが経過している現在、老朽化が指摘されているところも実際に存在している。実際に建て替えの案件も商談としては出てきている状況にあり、これから建て替えの話題も今以上に大きくなってくるはずだ。

 データセンターそのものは、本来なら30年程度はビジネスが継続できるように設計されているが、ここ15年で目覚ましい技術発展を遂げ、サーバやネットワーク機器の能力もこれまでとは比べものにならないほど集積化された機器の中で求められるようになっている。

 その分、古い空調設備などでは対応しきれないばかりか、ラック当たりの電力容量も足りず、最新の機器が使えないといった事態も現実的に起こっている。幾つかのラックに分散して搭載することはできても、ラック単位でコストが発生するために余計な費用も積み上がってしまうのだ。

 対して新しく建設されるデータセンターは、現状求められるコンピューティングリソースが提供できるよう設備の充実を図っており、空調効率などの向上で電源使用量も抑えられ、それがサービスコストに跳ね返ってくる。

 要は、スペックの高いファシリティを安価に利用することができるというわけだ。現実的にデータセンターの移設も行われることになり、老朽化したデータセンターを持つ事業者は、これから新たな環境に適用できるインフラへの刷新が求められる。

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