富士キメラ総研の調べによれば、国内ワンタイムパスワードの市場規模は、705万ID、57億円と見込まれている。
当該市場は金融機関やオンラインゲームの不正アクセス防止目的で拡大してきたほか、企業向けでは従来のような社内での機密性の高いシステムへの認証目的に加え、社内外から企業ネットワークに接続する機会が増加したことによる認証強化目的で、当該製品の導入が拡大してきた。
ベンダー別の市場占有率(見込)を見ると、数量ベースでは、グローバル規模で高い実績を持つベンダーが44.0%で1位。特に金融分野で採用実績が高く、追加需要やリプレース需要を獲得しているとみられている。2位は15.6%で、2016年度に新製品の営業が本格化することにより実績拡大が見込まれている。3位、4位は同率で12.8%となっている。
金額ベースでは、1位が56.1%、2位は数量で同率3位のベンダーが20.2%で、自社開発のマトリクス認証製品を提供し、エンタープライズ向けに高い実績を持っている。3位、4位は同率の3.5%で、数量同率3位のもう一方のベンダーと、数量2位のベンダーがランクインした。
ハードウェアトークンはトークン購入コストや運用面の負担から、ソフトウェアトークンやトークンレスタイプへと移行するユーザーが増加している。今後も、クラウドサービス利用やリモートアクセス需要の拡大は続くものとみられ、当該市場は拡大傾向で推移していくものと予測されている。
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