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人事管理システムの導入状況(2017年)/前編IT担当者300人に聞きました(2/3 ページ)

キーマンズネット会員269人を対象にアンケート調査を実施した。国内外拠点の有無や人事・労務部門の課題など実態が明らかになった。

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人事管理は「国内外で統合、一部指標を共通化」が多い

 それでは海外拠点を持つ企業の人事労務管理はどのように運用されているのだろうか。

 調査で最も多かったのは「海外現地法人は別の運用を行っている(36.7%)」で、「国内外ともに統合管理している(23.0%)」「海外現地法人は別の運用を行っているが一部指標は共通化している(19.4%)」と続く結果となった(図2)。項目別では「別の運用」が多数ではあるが、「全体もしくは一部指標を共通化している」とする回答を合わせると42.4%で、最多となる。

 日本と海外では仕事に対する人事評価や報酬制度、登用機会やキャリアに対する考え方など、さまざまな面で違いが生じるため、拠点の置かれる国や地域の文化に合わせるか、はたまた企業の全体方針として統一するのかは、一般的に議論が分かれるところである。

 例えば、よく聞かれるのが組織の統制方法だ。一般的に海外で多いとされているのが、部下に指示を細かく与え、権限を委譲する「トップダウン型」マネジメント。反して日本企業は現場の意見を重視し部下と一緒に指示を考える「ボトムアップ型」マネジメントの傾向が強いとされる。

 海外拠点で、例えば管理職が日本からの駐在員、従業員が現地採用という組織などには、統制方法に対する認識の違いからコミュニケーションロスが生じやすく、時として生産性の低下や人材流出などのリスクになる可能性もある。こうしたことからも海外拠点を持つ企業の人事労務管理は、慎重にかつ丁寧に検討する必要があるだろう。

 拠点ごとで運用を行う場合、現地の法や規制に準拠しやすい利点がある一方で、従業員のスキルやキャリアに関する情報が地域ごとに分断しているため、地域を横断したプロジェクトへの人員投入の計画を立てにくかったり、個々のキャリアパスを考慮した組織運営が難しくなったりしやすい。

 このため、組織全体としての人材の活用が難しいという課題を持つ企業もある。直近で海外拠点を複数持つ大手企業を中心に、拠点を横断したタレントマネジメントを実現しようとする取り組みが進んでいるのはこうした背景があるためと考えられる。

海外拠点での人事労務管理
図2 海外拠点での人事労務管理

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