会議長すぎ、会社に残りすぎ? カナダ人IT企業社長のWhy Japanese people(2/4 ページ)
「『会社に14時間いて頑張りました』ということがお客さまの満足度につながるわけではない」と話すヴイエムウェアの代表取締役社長ジョン・ロバートソン氏。柔軟に働ける環境作りに注力する同社の取り組みを紹介する。
スマホの役割がガラケー同然? そもそもテレワークをしたくない? 企業の実態
では実際の企業のテレワーク実施状況はどうなのか。ヴイエムウェアでは、2017年4月5日から4月7日にかけて、仕事でスマートフォンとタブレットを利用している20歳から59歳の男女519人を対象にテレワークの実態を探った。その結果、テレワークの実施状況に3つの課題を見つけたという。
課題の1つは、「多くの企業がスマートデバイスを利用してはいるが、機能や利便性を十分に活用できていない」ということだ。調査では、スマートデバイスの業務上の用途について、79%が「通話」と回答し、電話として使用している割合が圧倒的に高いことが分かったと説明する(図2)。
本田氏はこの結果について「スマホを持っていても、ガラケーと使い方が変わっていない」と話した上で、「これは企業がセキュリティ上の懸念によって、制約を課していることや、適切な管理ツールが不在していること」が要因ではないかと指摘した。
2つ目の課題は、業務中の個人の端末の使用が多く、セキュリティのリスクが高い」ことだ。「仕事で最も頻繁に使っている端末は、会社支給か私物か」という設問に対して、全体のほぼ6割が個人のデバイスを業務に使用していると答えた(図3)。「モバイルデバイス管理ツールなどが導入がされていない個人端末がなし崩し的に使われることは、セキュリティ上のリスクを高める」と本田氏は語る。
そして3つ目の課題は、社員や経営者のテレワークに対する意識にあった。調査の結果、社員はテレワークによる新しい働き方を求める一方で、懸念や不安を抱いているとヴイエムウェアでは説明する。
以下は、テレワークや在宅勤務の導入意向に関する調査結果だ。「テレワークや在宅勤務をしたいか・させたいか」という設問に対して、約半数の46.4%が「はい」と答えており、その理由として「ワークライフバランスの向上」(62.7%)や「生産性の向上」(51.5%)が挙がった(図4)。
一方で、テレワークや在宅勤務をしたくないという回答の中では、「持ち帰り残業が増える」(59.1%)という不安の声が半数以上を占め(図5)、さらに「テレワークが進まない理由は何だと思うか」という設問には46.4%が「経営者の意識」を要因として挙げた(図6)。
こうした結果を受けて「新しい働き方への期待感はあるが、従業員や経営者の意識が新しい働き方の導入に対して、壁となっているのではないか」と本田氏は話す。
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