文書管理ツールの導入状況(2017年)/前編:IT担当者300人に聞きました(1/3 ページ)
キーマンズネット会員327人を対象にアンケート調査を実施した。文書管理ツールの導入状況や管理する文書の種類など実態が明らかになった。
キーマンズネットは2017年6月14日〜6月28日にわたり、「文書管理ツールの導入状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数327件)。回答者の内訳は、情報システム部門(導入・検討や運用に関わる立場)は31.9%、製造・生産部門が14.5%、営業・販売部門が11.4%、経営者・経営企画部門が4.5%だった。
前編では、文書管理ツールの「導入状況」「管理する文書・情報の分野」「導入目的」などを、2011年に実施した同調査と比較した形で分析する。中小企業を中心にニーズが高まってきていることや、文書を管理する際の課題などが見てとれる結果となった。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
中小企業での導入は6年間で9.8ポイント増加
はじめに「文書管理ツールの導入状況」について尋ねた(図1-1)。その結果、「導入している(リプレースの予定はない)」が36.4%、「導入しており、リプレースを検討している」が2.7%、「導入を検討している」が9.3%、「導入していない」が51.5%となった。まとめると全体では39.1%が「導入済み」で、12.0%が「検討中」となる。
これを従業員規模別に見てみると、1001人以上の大企業で53.6%と過半数が導入済みであるのに対し100人以下の中小企業では20.9%と、従業員規模が小さくなるに比例して導入率が下がる傾向が見られた。
しかし6年前の2011年に行った同様の調査と比較すると、導入率が全体で4.4ポイントの増加にとどまっているのに対し、100人以下の中小企業では前回の11.1%から9.8ポイントも増えており、ここ数年は中小企業を中心に文書管理ツールの導入が進んできていることが分かった。
中小企業での導入が進んでいる要因の1つに提供形態の変化が挙げられる。「現在お使いの文書管理ツールの形態」を尋ねたところ、1位は「ソフトウェア型」66.9%、2位は「独自開発」18.5%、3位は「ASP・SaaS型」12.3%だったが、前回調査と比較すると「ASP・SaaS型」が3.6%から8.7ポイント増加した。
この結果から、中小企業でよく聞かれる「導入・運用にかかるコストの軽減」や「システム管理者など専任者の人員不足」などの課題に対応する形でASP・SaaS型の文書管理が採用されているのだと予測できる。
加えて文書管理ツールの導入単位(図2)は「全社」が67.1%と圧倒的多数で、「部課ごと」22.2%、「企業所や拠点ごと」6.3%と続く。内部統制などセキュリティ強化の観点はもちろん、ペーパーレス化や社内ナレッジ共有などのコスト削減や、業務効率化でのメリットが出しやすいことから「全社導入」が多い傾向にあることは前回調査から変わっていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.