SNSのブラックボックスをどう開く? JALが実践したデータドリブンなチームの作り方:事例で学ぶ!業務改善のヒント(1/5 ページ)
さまざまな施策の効果を「同じ軸」で評価したいのに、分析ツールは環境ごとにバラバラ……。チームで同じ数字を同じようにレビューして、正しいアクションにつなげるには? JALが取り組んだ方法を紹介する。
日本航空(JAL)のWebコミュニケーショングループでは、顧客エンゲージメント向上を目指し、SNSやソーシャルリスニングの分析にBIツールを活用している。導入のいきさつや選定理由、活用方法をグループ長の山名氏に聞いた。
「顧客エンゲージメント」のためのツールは何十個ある?
「挑戦、そして成長へ」をテーマに、2020年までに「フルサービスキャリア(FSC)事業」を磨き上げ、事業領域の拡大を目指すJALグループ。その取り組みの詳細は、JALコーポレートサイトやSNSの公式アカウントで幅広く紹介されている。
例えば、企業公式サイトである「www.jal.com(http://www.jal.com/ja/)」では、中期経営計画やJALが提供する商品・サービス、社員が持つべき意識や価値観、考え方である「JALフィロソフィ」を紹介するページや、安全運航を支えるスタッフへのインタビュー、CSRの取り組みなどを詳しく知ることができる。
このような自社の商品やサービスに対する情報を広く発信し、顧客の声に耳を傾けることは、今や企業広報やブランド力向上に欠かせない取り組みだ。JALグループも公式Webサイトの他、さまざまなSNSを駆使して顧客との積極的なコミュニケーションを図っている。
情報発信の方法やオーディエンスの活動状況の分析など、さまざまな仮説を基に施策を検証し、その結果を次の施策に生かすような日々の改善活動も、成果を高めるには必要な作業だ。WebサイトだけでなくSNSの取り組みも対象となるため、見るべきチャネルは膨大になる。そして、多くの場合、サービスごとに専用の分析ツールを閲覧する必要がある。サービスごとに固有の指標があったり、分析の粒度が異なったりするため、全体像の把握は非常に困難だ。
「必要な機能がなかったり、データを組み合わせるのに手間がかかったりと、既存のツールだけでは思ったような分析ができないことが悩みだった」と山名氏は明かす。
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