特集
クラウドサービスの利用状況(2017年)/前編:IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)
キーマンズネット会員330人にアンケート調査を実施した。クラウドサービスに魅力を感じる点、懸念や不安を感じる点など実態が明らかになった。
約4割がクラウドサービス利用で「トラブル経験あり」
冒頭、クラウドに対する懸念や不安について紹介したが、クラウドサービス利用者の中で実際にトラブルを経験した人はどれくらいいるのだろうか。調査したところ、トラブル発生が「ある」40.2%、「ない」59.8%という結果となり、約4割が実際にトラブルを経験していることが分かった。
それでは具体的にどのようなトラブルを経験したのか、寄せられた声を大別しそれぞれの理由についてフリーコメントを挙げて見てみよう。
システムの遅延・停止
- 大規模障害発生でデータセンターがダウンした
- サービスが停止し回復までに時間がかかった
- サービスの部分停止に巻き込まれサーバがダウンした
レスポンスが遅い・ネットワーク障害
- ネットワークのボトルネックによる性能低下
- トラフィックの集中により使用不可の状態が続いた
- レスポンスが遅い、データが消失した
情報セキュリティ被害
- プライベートクラウド利用中、ウイルスの影響でシステムが一部ダウンし、1日以上使えなかった
- ランサムウェアに感染した
メール(SaaS系)
- メール不達やメール遅延が発生した
- メールの使用不可状態が24時間程度継続した
サービス
- 権限設定ができない
- 性能問題や故障発生時に、対応が見えない
- ある日突然、使い勝手(仕様)が変わることがある
- 計画外のリリースを事前連絡なく実施され、カスタマイズしていた機能に不具合が発生した
- 契約条項にある・ないの食い違いで問題になった
クラウドサービスの利用メリットは既に多くの企業で認知されてきており、今後も活用は進んでいくことが予想される。しかし、重要なのは上記に挙げられるようなトラブルを想定しながら、業務のどの範囲に活用していくのか、リスクと活用メリットとのバランスをしっかり考慮した上で利用する必要があろう。
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