IDC Japanの調べによれば、印刷速度がカラーで毎分70枚以上、またはモノクロで毎分110枚以上のプロダクションプリンタの2017年第1四半期(1〜3月)の国内出荷台数は、前年同期とほぼ同数の約1610台であった。
同市場の7割以上を占めているレーザー方式のカラー製品は前年同期比2.7%減の1150台で、同方式のモノクロ製品は同9.2%増の450台となっている。カラー製品の減少は一時的で、今後再び増加に転じると考えられている。
高速インクジェット製品は前年同期と同じ7台であったが、ランニングコストや印刷速度でレーザー方式に優位であり、印刷品質や用紙対応力の向上に加え、布や木材など紙以外への印刷の可能性もあるため、今後さらに増加するとしている。
ベンダー別の市場占有率(出荷台数ベース)を見ると、1位のベンダーが52.6%、2位が35.0%と、上位2社で85%以上を占めている。上位5社のうち4位を除く4社はオフィス向けレーザーMFPベンダーである。今後、プリント出力の減少などオフィス機器の削減が予測される状況下で、プロダクションプリンタ市場に注力しているという。
印刷市場全体に占めるデジタル印刷の割合はまだ非常に小さいものの、可変データや少量印刷が可能で、企業における印刷物の内製化や、少量多品種短納期のニーズにより、当該市場は今後拡大していくと期待されている。
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