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イノベーションの成果を続々と世に送り出し、「第3次AIブーム」を牽引するGoogle。その経営を長く務めた村上憲郎氏へのインタビューは、テクノロジー、産業政策、さらには文明史にまで話題が及んだ。前編では「資本主義の終焉」「Industry4.0の実態」「第3次AIブームの到達点」といったマクロな視点から、現在の社会の実相と未来像をご紹介したが、後編では「AIが今後、人間のような意識を持てるか」「AIの進化に伴って人間の働き方はどう変わるか」など、技術の進化が私たちの生き方、働き方に直接もたらす影響を中心に村上氏の見解をご紹介していく。
プロフィール
村上 憲郎(むらかみ のりお)
1947年大分県佐伯市生まれ。京都大学工学部を卒業後、日立電子、デジタルイクイップメント(DEC)などを経て、2003年4月にGoogle米国本社 副社長兼Google Japan 代表取締役社長に就任。およそ6年にわたって日本におけるGoogle全業務の責任者を務めた。現在、村上憲郎事務所代表。東京工業大学学長アドバイザリーボード構成員なども務める。
プロフィール
上松 恵理子(うえまつ えりこ):聞き手
武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授。博士(教育学)。現在、東洋大学非常勤講師、「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー、総務省プログラミング教育推進事業会議委員、早稲田大学招聘研究員、国際大学GLOCOM客員研究員なども務める。著書に『小学校にプログラミングがやってきた!超入門編』(三省堂)等。
AIが意識を持つ日は来るのか
−進化が著しいAIですが、現在のところは意識を持つ兆候もないと伺いました(前編参照)。それでもやはり、意識を持たせようとする研究は進められているのですか。
ええ。AIに意識を持たせようとする研究には現在、2つのアプローチがあります。1つは慶應義塾大学の前野隆司教授(注1)が唱えている受動意識(passive consciousness)仮説に基づくものです。
どういうものかというと、例えば手を挙げるとき、脳から指令が行くわけですが、筋肉に「手を挙げろ」と指令する脳細胞と、「僕は手を挙げようと思った」と意識する脳細胞、どっちが先に働くかと言えば前者のほうなんです(注2)。意識は能動的な存在として最初にあるのではなく、無意識からの情報をもとに「これは僕がやろうとしたことだ」と受動的に確認するシステムだというのが前野先生の考えで、こうしたモデルに基づいてロボットに「人工の心」を持たせる方法を提唱なさっています(注3)。
「無意識が先だとしたら、なぜ意識なんてものがあるのか」と思われるかもしれませんが、前野先生は「個人的なエピソードの記憶を保存していくことで、“私”という幻想を補強している」と説明しています。
AIに意識を持たせる、もう1つのやり方は、AlphaGoを開発したDeepMind(注4)が取り組んでいるもので、具体的にはAIに、ロールプレイングゲームばっかりさせています(笑)。
「色・受・想・行・識」=「五蘊」と呼ばれる仏教の分類法があります(注5)。「色」は身体。「受」っていうのは器官の感覚。残りの想・行・識は思い描く、意欲を持つ、認識するといった抽象的な心の働きですが、DeepMindではAIに、ゲームの中で撃ったり撃たれたりといった体験を膨大に重ねさせて、その体験の中からまずは「色」=「私の体」という自覚をつくり出そうとしているんですよ。
人間でも「私」と思うとき、まず自分の体というものを思うわけであって、そこから形のない・見えない心といったものに思いが及ぶわけじゃないですか。AIでも同じように、身体的な感覚から意識を自然発生させられないかと彼らは考えているのです。AlphaGoの学習過程をみても分かりますが、コンピューターには人間よりも格段に早く、膨大な経験を積むことができる利点がありますからね。
そのほか、総務省の「AIネットワーク社会推進会議」(注6)が、単機能のAIがネットワーク化したときの諸問題について議論しています。映画の「ターミネーターシリーズ」でも、単体のアンドロイドより、自我に目覚めたコンピューターネットワーク「スカイネット」のほうがずっと破壊的でしたね(注7)。それに近い問題意識です。
もしかすると将来的には、個別で単機能のAIがネットワーク化した末に汎用人工知能として機能しだして、やがて全体としての意識を持つようになるかもしれません。さすがにそうなったときには、人類が全ての判断を譲り渡せばいいでしょう。松本徹三さんが言うように「AIが神になる日」(注8)が来たということです。
−確かな目の前のことでいうと、現在は多くの企業が「働き方改革」に取り組んでいます。ロボットを使った働き方の改善といったことも、これからどんどん出てくるでしょうね。
そうですね。このテーマに関しては「物理実体として、どのような形状のものをロボットと定義するか」がまず問題となります。2足歩行する人型ロボットを想像しがちだと思うんですが、スマートマシン(自己学習機能を備えて状況を自律的に判断し、人間にしかできないと思われていた作業を行う電子機械)も含めて、みんなロボットと呼んでいいでしょう。その知的水準が人間と遜色ないレベルになれば「アンドロイド」です。
アンディ・ルービン(注9)がなぜスマホのOSに「Android」と名付けたかといえば、それはスマホの上に登場するだけでなく、タブレットの上にも登場しますし、もちろん2足歩行のロボットにも使える。もっと言うと、自動走行車にも使われると見越していたんです。
検索アプリ「Google Now」(注10)の進化版が、「Google アシスタント」という名前になったのも、「バトラー(執事)サービスを目指します」と公にする意味があったわけです。
人間と敵対するのではなくアシストしてくれるんだという、そういうポジショニングであれば、今後ロボットを活用するのは全然OKなんじゃないかと思いますね。
ロボットとの協同で変わる人間の役割と働き方
−「ここは人間の仕事だけれど、ここはロボットに任せよう」ということは、ロボットを運用する企業が決めるべきなのでしょうか。
ロボットの導入は今後、短くても20年はかかるプロセスです。もっと言うと、第4次産業革命は50年くらいかかるプロセスですから、その中で慌てふためいて、すぐに何とかしようと考える必要はありません。
直近のことから申し上げると、自分たちの企業の中で、単純作業とポジショニングできるものは何なのかを考える。そこをロボットに置き換えていくのは、今その単純作業をなさっておられる方々には申し訳ないけれど、競争力を維持するため、個別の企業の判断としては仕方がない。そのために配置転換なども行われるかと思いますが、正社員の解雇規制を撤廃することは避けて通れないことでしょうね。
生産性という観点から言えば、工場なんかは「ほとんど人がいない」っていう形に行き着かざるを得ないんです。物理的な作業であれば、そこは分かりやすいんですが次にみなさん気になさっているのは、ホワイトカラー労働ですね。やはりそこも、次から次へとAIに代替されていくと思います。特に単純作業はですね。
私がよく例に挙げるのは「会計」です。これまで、経理部で勤務する最初の条件とされてきたのは「簿記3級」の水準。伝票が回ってきて、それを貸方・借方で適切な勘定科目に記述していくという仕訳と呼ばれる単純作業で、今もそうした業務がかなり残っていると思うんですけれども、もうすぐソフトウエアに代替されてしまうと思います(注12)。
−経理といえば、学校できちんと簿記を学ばれた方が就いてきた仕事ですね。
他にも、弁護士事務所や弁理士事務所に「パラリーガル」という職種があります。何か事案が持ち込まれたときに、それがどのような法律と関わり、どの条文が適用されそうか、あるいは過去の似たケースでどういった判例が出ているかを下調べなさる方々です。そういう方々の仕事も、AIが普及すればなくなってしまうと思います。既に日本で、私が知っているだけでも2社のAIのスタートアップ企業ができて「自然言語処理を使ったサービスで、パラリーガルの業務が全部できます」と言ってます(注11)。
会計や法律は、今までホワイトカラー業務の中でも専門性が高い分野とされてきたんですけども、残念ながら人工知能に取って代わられる宿命にあるということです。
その一方、AIの登場にともなって新たに生まれる人間の仕事っていうのも、やっぱりあるわけですよね。第4次産業革命、IoTが本格化する社会で必要な職業として、よく引き合いに出されるのは、ビッグデータを分析・検証する「データサイエンティスト」です。今はそのなり手が圧倒的に足りないというので、人材を探している人に「どの程度のことができればいいのか」って聞いたら、「Excelで統計の処理ができれば、とりあえず大丈夫」と。途方もない能力を求められるわけではないんです。
その程度でも、みんな腰が引けている理由は、ちょうど簿記と対照的。「確率・統計」を学校で習わなかった人が多いからですよ。僕も学校で数?までやったけど、確率・統計はついにやらなかった。今もそうだと思います。Excelを使えば平均値に中央値、標準偏差あたりは簡単に答が出ますから、本当は慌てふためく必要はないんです。そういった知識をとりあえず身につけさえすれば、自分の仕事を確保できるんです。
−過去に獲得したスキルを一生使おうというより、これまで得た知識や固定観念、価値観をどんどん変えていかなければならないということですね。働き方改革の中でも、勤めながら大学に通うのを支援しようとする動きがあります。
働きながら通えるパートタイムのビジネススクールを、日本はもっと増やさないとダメだと思いますよ。私自身もアメリカにいた30年前、パートタイムでMBAを取ろうかと考えたことがありました。あの国が当時から学歴社会だったこともありますが、やはりキャリアの途中で学び直し、新たなキャリアにつなげるという選択肢は重要です(注13)。
特にこれから、誰でも100年生きるような時代になってくると、人生二毛作どころではない。三毛作・四毛作って、次から次へ新たなチャンスが巡ってきます(注14)。だから「市場で売れる自分のスキルセットを、どう前向きに獲得していくか」って考えればいいんだと思いますよ。
さきほど「AIの登場で新しく生まれる仕事もある」と言いましたが、従来からある仕事にしても、教育や医療など、人の介在がどうしても必要な分野は残ります(注15)。ですから、そこの部分に特化していくというのも、これからの人間の大切な役割になると思います。
「残業代」からの卒業
−日本社会が働き方を見直していく上で、何か具体的なアドバイスがありますか。
まずは残業代を出すのをやめましょう。そしたら残業しなくなります。みんな残業代を稼ぐために残業をしている(注16)。仕事の必要性でやっているんじゃないんです。
残業代というのはつまり「出した成果と無関係に、時間給で働いている」と認めているようなものです。残業代に何の疑問も持たず受け取っている方々は、ご自身の時間をお売りになられているのでしょうか。それではまるで、かつてのマルクス主義じゃないでしょうか(注17)。
労働への報酬は時間給ではなく、有益な何かをしたことに対する見返り・対価という位置づけに変えるべきです。そのためには、残業代を支給するという制度そのものを廃止することです。
Googleでも残業代の制度はありませんでした。働いている全員がプロフェッショナルですから「われわれは時間を売っていません、買っていません」という関係です。同じことなら短い時間で達成するほうが素晴らしいという評価で、「徹夜してやりました」といった頑張りは、むしろ否定される雰囲気でした。
−残業代の支給という形では、成果に対する正当な評価になっていない。だから対価の問題も含めて、これから働く人間の役割が変わっていくということですね。
そういうことです。これからの働き方と日本社会の関係については「資本主義の終焉」という結論だけ言うと一気に飛躍しますので、そこに至る紆余曲折、途中経過の部分についてもお話ししましょう。
私は、将来的に日本の人口が7,000万人くらいで落ち着くと思いますし、それを前提に準備を進めるべきだと思っています。でも、これは日本人のよくない面なのですが、ほとんど誰もバックキャスト(backcast、避け難い未来像から逆算して現在の行動を決めること)をしない。みんなフォーキャスト(forecast、過去と現在の実績に基づいて未来を予測すること)ばかりしているんですよ。
−バックキャストを実現するには、未来像に到達するためのマネジメントが必要ですよね。
もちろんです。ただその大前提として、バックキャストを受け入れる雰囲気が、国民の間で希薄なんです。いまだに「(GDPで)中国に追い抜かれた、勝たなければいけない」と考えている人や雰囲気がある。10倍の人数(注18)がいるところに、どうやって量で勝つと言うんでしょうか。
「消滅可能性都市」で話題になった、前岩手県知事の増田寛也さん(注19)とも何度かお話ししたのですが、あのトピックが衝撃的だったのは「将来、相当数の市町村から人がいなくなるとしたら、今どうするか」というバックキャストを人々に迫る形だったからです。ところが、そうしたときにも「地方を存続させるために、どうすればよいか」と考え始める人が多い。
でもそれは違うんです。当分の間、日本の人口(注20)が減り続けることは確定していますから「人口をある程度、場所的に集中させないことには生活インフラのサービスが提供できない」という風に考えるべきなんです。今後は水道を維持するための住民負担より、ペットボトルで水を配るほうが安くなる地域だって出てきますよ。そこでユニバーサルサービスを無理に維持しようと、補助金なんかにお金を使っちゃダメなんです。
これは極論かもしれませんが、例えば「千葉から(兵庫県)姫路までの一帯をメガロポリスということにして集まりましょう。今いる場所にどうしても残りたければインフラは自己責任、自活してください」といった提案があってもいいくらいです。
目の前・足元の問題に対応するのがもちろん最優先ですが、その先も考えなくてはならない。例えば「2100年の日本」がどうなっているのか。そして、もしそうだとすると、今からどういうことを始めていないとダメかということですね。
人口減少については悲観論が多いけれども、国民1人当たりの生産性ということなら、同じアウトプットが得られる限りは母数が少ないほうが有利ですから「7,000万人でも多すぎる」という結論でもいいんです。それくらいラジカルな議論を、特に若い方から始めていただきたい。
−では、日本がアメリカの後ばかり追うのではなく、少子高齢化社会の分野でトップのモデルを作れればよいですね。
おっしゃるとおりです。さらに言えば、先進国で少子高齢化が問題となっている一方、サハラ砂漠以南では、これから10億人ぐらいの人口が登場します(注21)。その方々はどうするかとか、地球規模でものを考えたほうがもっといいですね。ただ一方で、私たちはそれぞれ自分自身が生き抜かなければなりません。ですから出発点は「利己主義」でよいと思います。
まず自分の家族の生活は、なんとか自分で守る。家族が生き抜き、自分の会社が生き抜き、さらに業界が・国が生き抜く。自分を中心に、少しずつ周囲に向かっていく同心円上で発想していけばよいのではないでしょうか。
将来に不安を持つことが悪いわけではありませんが、これからの時代は総じて、すごく面白い体験ができるだろうと思います。何といっても、人類史が書き換わるような場面に立ち会えるのですから。
電車で対面のボックス席に座るとき、進む方向を向くのが好きな人と、背を向けて後ろ向きに座るのが好きな人がいますよね。新たな時代を迎えるときも、背中から嫌々入っていって、過ぎ去っていく過去を「よかったなあ」って眺めている人が日本には多い気がします。ぜひ「進行方向に向かって座りなさい」と言いたい。未来へ前向きに臨んでほしいと思います。
−そうですね、私も前を向いて座りたいと思います(笑)。今回は貴重なお話を、ありがとうございました。
注1:前野隆司氏はキヤノン勤務などを経て、現在は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長。自身が提唱した受動意識仮説に関する一般向けの著書もあり、プロローグ部分をウェブサイトで公開している。
注2:脳波の測定結果をもとに、自発的な行為が無意識的に始まる可能性を示したアメリカの生理学者ベンジャミン・リベットの論文が1983年に発表されて以来、人間の行為の自発性に関する研究は「自由意志の有無」という哲学的な観点からも注目されてきた。最近の研究では、無意識的に始まった行為がすべて実行に移されるのではなく、意識的に拒否することも可能なことが示されている。
注3:詳細をまとめた前野氏の論文「ロボットの心の作り方」が公開されている。
注4:2014年にGoogleが買収したAI企業のDeepMindは、2010年の設立以来ロンドンに本拠を置き、現在はカナダ、米国の計3拠点で研究開発を行っている。
が取り組んでいるもので、具体的にはAIに、ロールプレイングゲームばっかりさせています(笑)。
注5:人間の身体や心の作用を羅列したもので、まとめて「五蘊」と呼ばれる。
注6:総務省情報通信政策研究所が開いている「AIネットワーク社会推進会議」は2017年7月に報告書を発表。AIネットワーク化がもたらす便益とリスクの具体例を活用分野別に挙げている。
注7「ターミネーター3」では、自我を持ったスカイネットが人類を敵視し、核攻撃を行った。
注8:ソフトバンクモバイル元副社長の松本徹三氏による同名の著書は2017年7月に発刊。将来シンギュラリティに到達するAIは人間の手が及ばない存在となり、人類が抱えるあらゆる難問を解決する「新しい神」になると予測している。
注9:アンディ・ルービンは1963年生まれの技術者・経営者。2003年に設立した「Android」社をGoogleが2005年に買収したことから、2013年までGoogleのモバイル端末向けOS・Androidの責任者を務め「Androidの父」と称された。
がなぜスマホのOSに「Android」と名付けたかといえば、それはスマホの上に登場するだけでなく、タブレットの上にも登場しますし、もちろん2足歩行のロボットにも使える。もっと言うと、自動走行車にも使われると見越していたんです。
注10:「GoogleNow」に「お腹が空いた」と入力するとそのまま語句を検索した結果が表示されるのに対し、「Google アシスタント」は近隣の飲食店情報が表示されるなど、AIを活用して利用者の真意に近づく工夫がされている。iOSの「Siri」や、Windows10の「Cortana」も、ほぼ同様の機能を提供している。
注11:AIを使ったパラリーガルの代替サービスは米国などで既に実用化されており、日本でも弁護士事務所の関連企業などが開発を進めている。
注12:村上氏の高校時代の学習指導要領において、微分・積分と同じ「数学?」で扱われていた「確率・統計」は受験科目として重視されず、1989年の指導要領改訂で科目自体が消滅した。
注13:キャリアアップを支援する制度として、在職中でも利用できる雇用保険の「教育訓練給付金」などがある。
は重要です。
注14:「人生三毛作」を提唱する東京大学大学院の柳川範之教授は、日本的な終身雇用のベースとなってきた「期限の定めのない雇用契約」を20年契約とみなす法改正による「40歳定年制」の実現も併せて提言。一定期間ごとにキャリアの区切りを設け、時代の変化に対応した学び直しを行うべきと説いている。
注15:「コンピューターの発達で米国の雇用の47%が消滅の危機にある」とした、英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授らの論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT(雇用の未来、2013年)」では、「教育」「社会奉仕」「医療」といった対人的なサービスを伴う職業は消滅のリスクが相対的に少ないとされている。
注16:全国の会社員・公務員を対象としたアンケートでは、残業する主因を「残業費をもらって生活費を増やしたいから」とする回答が最も多かった例もある(出典:「fabcross for エンジニア」)
注17:カール・マルクスは主著「資本論」で、労働力の価値を「生産に必要な(平均的)労働時間で決められる」と定義。生産手段を一部の者が支配する環境においては、生存のために本来必要な時間以上の労働が強いられていると指摘した。
注18:中国の国家統計局によると、2016年末現在の同国の人口は前年比0.6%増の13億8,271万人。
注19:増田氏が座長を務めた「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」は、人口増減を左右する「20〜39 歳の女性人口」に着目。2010年以降の30 年間で5割以下の減少が見込まれる全国896自治体(全体の 49.8%)を「消滅可能性都市」と名付けて2014年5月に発表した。同時に示された提言では「国民の『希望出生率』の実現」「『東京一極集中』に歯止めをかける」との方向性が打ち出され、同年9月には政府が地方創生の推進を図る「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。増田氏も同本部に有識者として加わった。
注20:国立社会保障・人口問題研究所による2017年4月の発表では、2015年の国勢調査において1億2709万人だった日本の総人口が長期の減少過程に入ると予測。出生・死亡の動向をいずれも中位で推計した場合、2053年に1億人を割り込むとした。
注21:国連が発表した「世界人口予測」によると、2015年時点で約9億6,200万人だったサハラ砂漠以南の人口は、50年には21億2,300万人、2100年には39億3,500万人に達するとみられている。
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