IDC Japanの調べによれば、2017年第1四半期(1〜3月)のインクジェットのプリンタとMFP(複合機)の国内出荷台数は、前年同期比1.6%増の84万1000台となった。当該市場は、出荷台数、台数シェアともに大きな変化はないが、中長期的には出荷台数、売り上げ規模ともに徐々に減少していくとみられている。
ベンダー別の市場占有率(出荷台数ベース)を見ると、1位のベンダーが44.5%、2位が37.2%で、3位が15.2%と、上位3社で市場の95%以上のシェアが占められている。
モバイルやクラウドの普及、セキュリティ要求の高まり、社内ドキュメントワークフローの見直しなどによって、プリント出力自体も徐々に減少傾向にある。今後、緩やかに縮小する市場の中で、ベンダーの大きな収益源である消耗品や保守提供の競争が激化すると予測される。
IDCでは、近い将来、ベンダーの再編など大きな変化が起きる可能性が十分あるとしている。ベンダーが生き残るためには、例えば中堅中小企業向けのドキュメントセキュリティやドキュメントワークフローのソリューションと連携するなど、顧客の新たな需要を喚起するようなプリンタやMFPの販売方法を模索する必要がある。
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