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生涯52日もムダ作業がある? コンカー流働き方改革の鍵は「Suica」が握る(1/2 ページ)

「一生のうち、経費精算に52日を費やしている」。自らの手を煩わせることなく経費精算できないのだろうか。コンカーが約2年かけて自動化を目指す、夢の経費精算の世界とは。

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 外回りのあるビジネスパーソンは、鉄道やタクシーを活用し移動をこなす。その移動のたびにつきまとうのは「経費精算」だ。出張・経費精算管理クラウドサービスを提供するコンカーによると、ビジネスパーソンは経費精算に月間48分、生涯分を算出すると、なんと52日間も経費精算作業をしていることになるという。「無駄」とまではいわないが「生産性のない時間」といっても過言ではない。そんな時間を「タッチレス」で処理し、移動する人々のパーフェクトトリップを実現する実証実験が間もなくスタートする。

Suicaをスキャンしなくて済む――新しい自動連携の方法は?

 出張や近隣交通費の処理、経費精算を自動化するクラウドサービスを提供するSAPグループのコンカーは2017年9月25日、ICカードの「Suica」を提供するJR東日本、日本交通、国際自動車、そして大和自動車交通のタクシー3社と共同で、鉄道やタクシーの「経費精算」をデジタル化、自動化する実証実験を開始することを発表した。従業員が持つSuicaのデジタルデータをJR東日本とコンカーとで自動連携し、企業が利用する経費精算システム「Concur Expense」に自動反映する。

コンカーとJR東日本のSuicaデータサーバとを連携、近隣交通費の情報をコンカーに自動入力する
コンカーとJR東日本のSuicaデータサーバとを連携、近隣交通費の情報をコンカーに自動入力する

 これまでもコンカーは経費精算の自動化機能を提供してきた。第1世代は従業員のPCにそれぞれカードリーダーを接続しSuicaなどのICカード情報を収集、第2世代では共有のネットワーク型ICカードリーダーを使って情報を収集していた。しかしこの方法では、機器の管理の課題だけでなく、ICカードにおける記憶容量の少なさから、直近20件のデータしか取り込めないことが問題だった。

 今回、コンカーが「第3世代のデータ連動」として提供する機能は、カードリーダーを使うのではなく、JR東日本が持つ利用履歴データのうち、利用承諾を得た従業員のデータを直接コンカーのシステムに連携するというもの。この方法をとることでデータの自動転送が行え、従業員はカードをかざすことなく、また件数制限も気にすることなく利用できる。データはICカードの利用後、翌々日までにはコンカーに同期される。

 この方法で鉄道の利用履歴だけでなく、タクシーの利用履歴も取得できるようにするというのも、今回の実証実験の大きな目的だ。都内で代表的な3社のタクシー会社と連携し、Suicaの利用履歴のうちタクシーの利用分に関しても、コンカーに自動連携を行う。

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