検索
ニュース

情報分析基盤を内製したLIXIL、デジタル変革の道のりは「名寄せ」から?(4/4 ページ)

顧客接点を最適化するには5社の顧客を名寄せしなければ始まらない。自社で試行錯誤を繰り返し、内製で新しい「顧客情報分析基盤」を構築したLIXILの狙いを聞いた。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

「ここにブラックボックスを作ってはいけない」内製にこだわる理由

 講演で船水氏は「名寄せのアルゴリズムもいろいろと検討しました」(船水氏)と、改良を重ねて効率の良い手順を見つけていったプロセスも発表。自らの手で手法を検討、プロジェクトを推進していることがよく分かる内容だった。

 率直にいうと、一般的にシステムの名寄せでは多くの経験を持つ外部のSIにゆだねるケースも少なくはない。内製で手掛けるにはあまりにも重たい処理が多く、一般の情報システム部門だけでは手に負えないものも多いからだ。にもかかわらず、LIXILでは自社の情報システム部門にこのプロジェクトを任せている。情報系システムの名寄せが目的であれば、すこし遠回りのやり方にも見える。

 その理由はなぜか。船水氏の講演の後、船水氏の上司にあたる同社情報システム本部 Information Excellence部部長の菖蒲真希氏はこうコメントしてくれた。

 「組織の判断の基礎となるデータ分析の基盤、顧客体験をよりよいものにするデータ基盤には、絶対にブラックボックスを作ってはならないと考えています。社内の人間が理解してこそ、データを資産として生かせるようになるはずです」

 菖蒲氏は現在の同社の新情報分析基盤を「まずは国内を中心に第一歩を踏み出したところ」だと評価。海外メーカーとの統合を積極的に進めていることから「将来的には海外拠点を含め、全てをOne True Numberに統合していきたい」と抱負を語ってくれた。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る