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ハイパーコンバージドシステム急成長の鍵は「運用管理」すご腕アナリスト市場予測(2/5 ページ)

急成長を続けるハイパーコンバージドシステム。市場から求められる理由とともに主要ベンダーの動向について徹底解説する。

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ハイパーコンバージドシステムが求められる理由は?

 では、コンバージドシステムの他のカテゴリーとハイパーコンバージドシステムの違いは何だろう。

 まず1つは、ハイパーコンバージドシステムは1Uか2Uといった比較的コンパクトなサイズのコモディティサーバ(=単一のサーバベースハードウェア)をベースとしている点だ。こうしたハードウェアを複数台利用してコンピュートやストレージのリソースプールを提供している。

 3ノードを最小構成とする製品が多く、比較的小規模な構成で導入できる。また、ストレージ機能も含めてソフトウェアで提供しているため拡張しやすく、かつコモディティサーバ単位で拡張できるため、拡張単位が小さくて済むというメリットがある。さらに、業務上の必要性に応じてサーバ能力やストレージ容量を拡張するニーズが発生した時に、簡単に、かつ迅速に拡張できる点も特徴である。

 もう1つの違いは、仮想化されたインフラを統合的に管理できる点だ。ハイパーコンバージドシステムでは、仮想サーバや仮想ストレージを管理用ソフトウェアで統合管理できる。従来型の構成であれば、仮想マシン、サーバハードウェア、ストレージなどをそれぞれ個別に管理するケースも多い。

 例えば、従来必要だった仮想マシンに対するストレージ容量の割り当てや性能確保といった設定が管理用ソフトウェアによって自動化される。その結果、抜本的な運用管理の効率化をもたらす。ある程度の期間仮想化環境を運用し、運用管理に課題を感じるようになった企業が、ハイパーコンバージドシステムがもたらす運用管理プロセスの変化に注目しているといえる。

 まとめると、コンバージドシステムの上述の利点に加え、スモールスタートが可能であり、より柔軟で容易な拡張性を持ち、かつ運用管理工数が少なくて済むというメリットを兼ね備えるのがハイパーコンバージドシステムの魅力である。

 このことはハイパーコンバージドシステムの利用意向に関する調査でも裏付けられている。ハイパーコンバージドシステムを利用中または計画/検討中の回答者にハイパーコンバージドシステムの利用理由を尋ねると、図2のように、「運用管理コストの削減」が最も多く挙げられた。

ハイパーコンバージドシステムの利用理由
図2 ハイパーコンバージドシステムの利用理由(出典:IDC Japan)

 運用管理コスト削減という項目以外にも、3位の「運用管理の複雑性の解消」、4位の「IT管理者の生産性の向上」、5位の「ITインフラの運用管理を一元化できる」という答えも、運用管理の効率化という特徴を別視点から捉えたものといえるだろう。

 運用管理の効率化というメリットがハイパーコンバージドシステム導入の最も大きな理由になっていることが分かる。この調査は2017年6月の結果だが、2016年12月にも同様の調査を行っている。上位4つの項目の順位は前回調査と一致しており、ハイパーコンバージドシステムの運用管理コストの削減効果が高いという認識は、既に国内ユーザーにおいて定着しているようだ。

 2位に挙げられた「ハードウェアコストの削減」という項目には少し注釈が必要かもしれない。これは実は「スモールスタートが可能である」理由と関連している。一般的に従来のシステム導入は将来のワークロードをある程度想定し、余裕をもった規模で設計されることが多かった。このため、初期投資はその時点での必要リソースよりも大きめに見積もらなければならなかった。他のコンバージドシステムでもこの点は同様である。

 ハイパーコンバージドシステムの場合は、直近で必要なリソースだけをひとまず導入し、後は適時に追加していける。つまり、スモールスタートができることで、ハードウェアコストが低いという評価につながっているわけだ。だが将来的にどの程度の規模まで拡張するかによって、トータルで見たコストへの評価は変わってくるだろう。また、初期コストだけを見れば、従来型のサーバとストレージによる3層構造のシステム導入よりも割高になるケースも多いことは指摘しておかなければならない。

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