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顔認証、顔認識で変わるセキュリティ対策:IT導入完全ガイド(4/5 ページ)
「顔認識」技術はここまで進化した。群衆の中から特定の人物を見つけ出し、10メートル離れた場所から視線の先を追う。用途は実に広い。
ITシステム、端末へのログイン管理
端末カメラから利用者の状況を常時(一定間隔で)モニターし、カメラに視線を向けるとログインが実行され、離席すると自動的に画面ロックされ、戻ってカメラを見ればロックが解除されるといった使い方も可能だ(図3)。
本人の写真や動画でなりすまそうとしても、顔の動きを検知してログインを防止できる。また認証成功、失敗時の顔画像をログ保存できるので、不正使用しようとした人物を特定することも可能だ。これは不正抑制効果が高いだろう。
視線検知を用いた不審人物、行動検知
顔認証技術の発展により可能になったのが、遠距離からの視線推定だ。人の目がどちらを向いているのかの判別は、これまで赤外線の角膜反射などを用いていたため、特殊装置が必要で、個人用キャリブレーションも入り、近距離からの視線検知を行うしかなかった。発展した画像認識技術を用いれば、10メートル離れたカメラで撮影した映像でも人の視線方向を推定できる。
NECによると、映像に映る人物が多数でも、1人当たり1ミリ秒以下での視線推定が可能だという。セキュリティ面では、監視カメラを注視する人や周囲を見回している人など、不審行動者を発見できる利点がある。
コラム:映像分析機能による異常行動や事象の検知
連続した映像から異常状態を検出する映像解析ソリューションも、セキュリティセーフティ目的には重要だ。人が常時監視していなくても、図5のような異常行動や事象が検知でき、アラートを上げられるようになっている。顔認証との組み合わせも場合によっては効果的かもしれない。
主な使用例
- 重要施設や銀行前のうろつき監視
- 駅プラットフォームから路線内への立ち入りや転落検知
- ひったくり検知
- 駐車禁止エリアにおける違法駐車検知
- 公園内の深夜うろつきや浮浪者検知
- 不審物置き去り検知
- 工場内などの危険な立ち入り禁止地区への立ち入り検知
- 危険な混雑の早期発見
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