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改正個人情報保護法、2017年の変更ポイントは 前編:困ったときのビジネス用語(3/5 ページ)
「改正個人情報保護法」が2017年5月30日に施行されました。企業が知るべき改正点や最低限必要な対策を解説。前編では、「個人情報の明確化」「要配慮個人情報」「個人情報取り扱い事業者の拡大」を取り上げます。
5分目 個人情報の取得と第三者提供に関するルールの整備、強化
改正個人情報保護法では、個人情報の取得と第三者提供に関するルールが整備されています。
個人情報を取得するときのルール
前述したように、改正法では要配慮個人情報の取得時に、必ず本人の同意を得ることが必要です。また、要配慮個人情報に関わらず、個人情報を本人から取得する時には、利用目的を明示することが義務となっています。取得のルールとして、この2点は覚えておかなければなりません。
第三者提供をするときのルール
原則として、個人情報を第三者に提供する際、あらかじめ本人の同意を得ることが義務となっています。本人の事前同意を得ず、オプトアウトによって第三者提供をする際には、一定の条件をクリアしなければなりません。
改正法では、このオプトアウトの条件が厳格化しており(1)個人情報保護委員会に届け出をすること(2)本人がいつでも第三者提供の可能性があることを認識できるよう、以下の内容をWebなどで公表することの2点が義務となりました。また前述したように、要配慮個人情報に関しては、そもそもオプトアウトが禁止されているので注意が必要です。
(2)に関して事前に公表すること
- 個人情報の利用目的に第三者提供が含まれていること
- 求めに応じて第三者提供を停止すること
- 「個人情報のうちどの項目を、誰に対して、どんな方法で提供する」という内容
とはいえ、幾つか例外があります。例えば、警察による捜査などの法令の場合、急病など本人の同意を得ることが困難であり、人の身体や財産の保護に必要な場合、公衆衛生の向上に関わる場合、児童の育成に関わる場合、国の調査で必要な場合には、本人の同意なくして第三者への提供が認められています。
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