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国内最大規模となる「RPA SUMMIT 2017 in Osaka」が、2017年11月30日に開催された。ここでは、展示ブースと、国内初のロボット開発ワークショップ「RPAロボット開発体感コーナー」の模様をレポートする。
RPA展示ブースレポート
ソフトバンク
ソフトバンクの展示ブースでは、同社のRPAソリューション「SynchRoid(シンクロイド)」と、おなじみのロボット「Pepper(ペッパー)」を紹介していた。「SynchRoid」は、直観的な操作が可能で、ITの知識が少ない部門の方でも容易にロボット可能。さらに、初めてRPAを使う企業等のユーザー向けに、eラーニングや検定試験、ワークショップ形式の研修なども用意されているという。
また同社ブースでは、RPAを活用したPepperアプリも紹介しており、同社プロセスマネジメント本部 RPA推進室 担当課長 小齋平康子氏は、次のように説明してくれた。「RPAでデータ連携するオンラインストアが存在しているなら、実店舗でペッパーが顧客とのインタフェースとなり、裏でRPAが連携して店員に指示を出すなどといったアプローチもあるはずです。ロボットのニーズは爆発的に拡大しており、RPAはその可能性をさらに押し広げるものと考えています」
アビームコンサルティング
アビームコンサルティングは、訪問者の業務内容について耳を傾けながら、RPA導入経験豊富なコンサルタントが、その場でRPA化の可否や導入のポイントを回答する“クイックRPA無料診断”を展示ブースで提供していた。同社のRPA業務改善サービスは、目に見える業務改革の成果を低価格でクイックに提供できることが大きな特徴となっている。
同社は、大阪市内に本社を置く大和ハウス工業が取り組むホワイトカラーの生産性向上のためのRPA導入プロジェクトにおいて、RPAを適用する要件の定義やロボットの開発を支援するなど、ここに来て大阪圏の企業のRPA導入支援にも注力している。
アビームコンサルティングのディレクター 戦略ビジネスユニット 金弘潤一郎氏は、「大阪圏のお客さまにも手厚いRPAの導入サポートなどができるよう、このほど当社の大阪の拠点における体制を強化しました。RPAの活用に興味がありましたらぜひご相談ください」と語ってくれた。
エヌ・ティ・ティ・データ
NTTデータのブースでは、同社の純国産RPAソリューション「WinActor」と、「WinActor」で作成したロボットを一元的に管理・統制できるロボット管理ソフト「WinDirector」を中心に紹介していた。「WinActor」は、2010年にNTTの研究所で産まれた純国産のソフトウェア型ロボットで、Windows端末で操作可能なアプリケーションへの繰り返し入力作業をRPAにより自動化することができるのが特徴。Excelやブラウザからワークフローなどの業務システムまで幅広く対応しているのに加え、操作を規定するシナリオの作成も容易であり、プログラミング知識がなくても使いこなすことができる。
そして実行させたい作業を「WinDirector」に設定すれば、多数のロボットを使って複数の作業シナリオを並行処理できるのである。
NTTデータ 第二公共事業本部 第四公共事業部 第二統括部 RPAソリューション担当 藤枝彩華氏は次のように説明する。「ビジネスの現場で容易にシナリオを作成して修正から実行まで行えるのが「WinActor」の特徴で広く評価をいただいていますが、最近では作成した複数のロボットに対するガバナンスと管理のニーズも増えてきており、そうした声に応えたのが「WinDirector」です」
Blue Prism
2001年にイギリスで設立されたBlue Prismは、最先端のAIおよびコグニティブテクノロジーを実現するためのスケーラブルで堅牢な実行プラットフォームを提供する同社のエンタープライズRPAを同社の展示ブースにおいて披露。スピード、効率、精度、コンプライアンスが徹底されたデジタルワークフォースを実現するBlue PrismのRPAソリューションについてデモを交えて紹介していた。
Blue Prismは、人間労働に代わるRPAを発明し、世界中で認められてきた実績を有する。
同社のマーケティングマネージャ 八木橋恵理氏は、「“エンタープライズRPA”を標榜する当社ならではの強みは、データセンターにあるサーバーとデータベースを利用してサービスを展開していることなどにより、セキュリティ、拡張性、再利用性の3点において、他にはない高いレベルを実現している点にあります。このため、コンプライアンスやセキュリティを重視する金融系などの企業から特に評価をいただいています」と語った。
RPAテクノロジーズ
RPAを市場のパイオニアでもあるRPAテクノロジーズの展示ブースでは、各種RPAソリューションをはじめ、紙処理業務を効率化するドキュメントRPAなど、多様なソリューションを案内していた。例えば、デジタルレイバーの採用からスケールまでのノウハウを提供する「BizRobo! Station Service」もその中の1つだ。
同社の房宗和希氏は、最近の国内企業におけるRPAのニーズの広がりも踏まえて次のように抱負を延べた。「当社は、国内でも最もRPAの運用ナレッジを有しており、企業の業種・業態や規模を問わず、またRPAに関するどのようなソフトウェアでも教育を提供することができます。最近ではeラーニングを活用した中小企業向けの教育サービスも展開しています。今後はRPAにまつわる教育やアドバイザリーに一層注力していく構えです」と力づくよく語った。
豆蔵
豆蔵の展示ブースでは、同社が独自開発した対話型AIエンジンである「MZbot」を使用して具現化した「デジタル秘書」を、デモシステムを通じて紹介していた。デモシステムは、MZbot、RPA、ERPの連携による「発注業務代行」と、MZbotのサービスロボット組み込みによる「問い合わせ業務代行」の2種類。
豆蔵 IT戦略支援事業部 第2(実装/技術開発)グループ グループ長 チーフコンサルタント 田中裕氏は、「独自の対話型AIエンジンを活用することで、チャットからRPAロボットを呼び出して指示を与え、ERPのような基幹システムと連携できるのが当社のRPAソリューションの特徴となっています。そのため活用の幅は広く、これからの業務のかたちを大きく変える可能性を秘めていると考えています」と強調した。
キューアンドエーワークス
RPA導入で最も重要となる「導入効果」「使い勝手」「RPAツールの適正判断」「POC」など、本格運用に向けた検証段階・事前準備から、導入・運用までトータルサポートを展開しているキューアンドエーワークス。人材派遣業として豊富な実績を持つ同社の展示ブースでは、2016年1月から展開しているRPA導入支援サービス「RoboRoid(ロボロイド)」を中心に紹介していた。
このほど同社では、システム科学が提供する業務プロセス可視化およびチャート作成システム「HIT.s(ヒット)法」を取り入れたRPA業務可視化サービス「RoboRoid-HIT.s(ロボロイドヒット)」の開発にも着手しており、2018年3月のリリースを予定しているという。「RoboRoid-HIT.s」は、企業全体の業務の見える化を実現するとととに、リードタイムやコストなども踏まえてRPA導入により最も効果を上げることができる業務を検証するサービスとなっている。
キューアンドエーワークス 広域事業部 関西支社 チーフコンサルタント 三宅竜太郎氏は、「ホワイトカラー業務全体の平準化を目的に、「RoboRoid-HIT.s」によりRPA導入前後における効率的な導入サポートを強化していきます。“より楽しく働けるようにRPAの活用を”というのが当社の一貫したスタンスです」と力説した。
グローシップ・パートナーズ
AIやRPA、Fintechなど時代に合った最先端のITテクノロジーを活用し、プロフェッショナルなコンサルティング経験を融合したワンストップサービスを提供するグローシップ・パートナーズ。同社は、「製品選定」から「導入」、「運用定着化」まで、ワンストップでサービスを提供することでRPAの導入効果を最大化しているという。展示ブースにおいても、同社が考える今後の市場性や、ワンストップサービスのアプローチについて紹介されていた。
グローシップ・パートナーズの代表取締役社長 松井晴彦氏は次のように語ってくれた。「豊富なコンサルティング経験を背景に、顧客企業に最適なRPAソリューションをマルチベンダーで提供しています。また変化の激しいビジネス環境において、我々はRPAに対して“現場で使い、現場でメンテナンスする”という哲学を持っています。そのために必要な教育も提供しているのでぜひご相談ください」
日立システムズ
長年にわたりSIや運用保守で積み重ねてきた実績を誇る日立システムズの展示ブースでは、同社が提供する現場密着型のRPAサービス「定型業務自動化支援サービス」を中心に紹介。RPAが実現する「仮想労働者」とともに働く新たなオフィスの姿が、同社のバックオフィスサービスや経理スタッフ部門などへの適用事例を用いて示されていた。
同社は全社的にRPAの活用に取り組むべく、2017年10月に専門組織となるRPA・BPO推進プロジェクトを立ち上げた。
日立システムズ マネージドサービス事業グループ スマートソーシング&サービス事業部 ソリューション本部 RPA・BPO推進プロジェクト プロジェクトリーダー 相野台佳弘氏は、次のように抱負を語ってくれた。「今後さらなる課題に対して応えるべく、当社が展開する多種多様なサービスや取り組みを生かしすことで様々な企業でRPAが活躍できるよう、会社全体で取り組むための体制を整えました」とコメントする。
エネルギア・コミュニケーションズ
広島に本社を置く、中国電力系列のエネルギア・コミュニケーションズのブースでは、“地方創生へチャレンジするRPAサービス”を標榜する同社のRPAソリューション「Enerobo」を中心に、2017年に11月28日にスタートしたRPAクラウドサービスも交えて紹介していた。RPAにクラウドサービスは、同社が誇る最新の通信データセンターインフラにより、安全かつリーズナブルな価格で企業のロボット活用を強力にバックアップするものとなっている。
エネルギア・コミュニケーションズ 情報システム本部 ITサービス事業化プロジェクト 部長 梶川祐朗氏は、「当社は“広島からRPAを!”を合言葉に、全国の企業や公共団体などを対象にRPAの導入から運用までのトータルサポートに取り組んでいます。通信回線からPCまで、あらゆる領域のエンジニア400人を擁しており、高い信頼性を提供できることも大きな強みだと自負しています」と語ってくれた。
インフォテリア
6,000社以上の導入実績を誇る11年連続国内シェアNo.1のデータ連携ツール「ASTERIA WARP」を展開するインフォテリア。ノンプログラミングでさまざまなシステムやサービスを簡単・高速に連携し、データの利活用を支援できるのが「ASTERIA WARP」の特徴だが、同社の展示ブースでは、データの入出力や高度なデータ加工など「データ」を扱うさまざまな業務を自動化することで、いかに業務品質の改善、業務効率化にも貢献できるかが示されていた。
インフォテリア ASTERIA事業本部 営業推進部 部長 東出武也氏は次のように語った。「これまでも「ASTERIA WARP」によってノンコーディングで業務プロセスを自動化することに貢献してきました。RPAの領域においても、操作画面ではなくデータを軸にして自動化を実現するという「ASTERIA WARP」の特性が生きてきます。多くのRPAソリューションが業務部門主導となっているなか、情報システム部門主導で取り組めるのが「ASTERIA WARP」の大きな特徴なのです」
イノベーションネクスト
人材サービスを総合的に提供するCRGホールディングスの事業会社であり、同グループにおける開発・運用の経験から、人事労務管理などをはじめとしたバックオフィスのロボット開発を得意とするイノベーションネクスト。同社のブースでは、「残業改革ロボ RooPA」を活用した企業のバックオフィスにおける労働環境の改善アプローチが紹介されていた。
イノベーションネクスト 代表取締役 伊藤恒嘉氏はこう語ってくれた。「国を挙げて働き方改革を推進するなかで、長時間労働の是正が掲げられていますが、そうした社会的課題に対する我々の回答が、“デジタル労働者”であるロボットを活用した残業改革です。「残業改革ロボ」は無制限にロボットをつくることができるので、抜群のコストパフォーマンスを誇ります。人が行う「定型作業」を肩代わりし、残業問題の解消をする新しい労働力として、簡単な作業から複雑な業務まで、現場視点で顧客の業務を徹底的に最適化するのを支援していきます」と語ってくれた。
RPAロボット開発体感コーナーレポート
Synchroid
ソフトバンクの体験コーナーでは、その優れた操作性から自社開発を目指すユーザーに注目されている「SynchRoid」を、実際に講師と一緒にに触れながら、交通費計算業務のロボット作成を体感できるようになっていた。
ソフトバンク プロセスマネジメント本部 RPA推進室 担当課長 玉田博也氏は、「数多いRPAソリューションのなかでも、開発が容易な「SynchRoid」を少しでも多くの方に体感していただきたいですね」とコメントしてくれた。
Blue Prism
Blue Prismは、その特徴的な開発、管理機能を体験できるワークショップを行っていた。
同社の祭(#草冠付き)承龍氏は、「メンテナンスのしやすさ、業務での見やすさ、そして管理性の高さがBlue Prismのメリットです。設計が複雑だと思われがちですが、実際に触れていただくことで、簡単に使えることを知っていただきたいですね」とコメントしてくれた。
Autoブラウザ名人
導入実績470社の「Autoブラウザ名人」は、ブラウザ画面に加えWindowsアプリの画面操作の自動化、データ変換、メール通知や業務カレンダー機能を備えた、使いやすさが定評のRPAとなっている。同社のワークショップは、手作業によるパソコン操作の自動記録からスケジュールによる自動実行までをわかりやすく説明するとともに、使い勝手の良さを体験できるものとなっていた。
ユーザックシステム ソリューション営業部 課長 RPAプランナー 川村優氏は、「シナリの自動記録から編集、追加までを体験していただき、わかりやすさを実感していただいています」と語った。
WinActor
NTTデータ アイは、NTTデータのRPAツール「WinActor」に実際に触れながら、データの入力・登録・修正を行うRPAをノンプログラミングで作成できる効果を体験するワークショップを実施。
NTTデータ アイ 第三事業部 労働情報担当 RPAソリューションチーム 主任 小山哲明氏は、「4つのインタフェースで自動化を体験していただける、わかりやすいプログラムをご用意しました」と説明した。
ロボ・オペレータ
グローシップ・パートナーズの体験コーナーでは、純国産のRPA製品である「ロボ・オペレータ」の特徴である「直観的でわかりやすい操作性」を体感できるワークショップを行っていた。
グローシップ・パートナーズ シニアコンサルタント 山岡朝希氏は、「システムの制御方法などについて知らなくても、誰でも簡単に操作できることを体験していただいてます」とコメントしてくれた。
ApeosWare Record Link
「自由な帳票設計と差込印刷」「手書き文字の高い認識率」「効率的な確認訂正」といった特徴を持つ帳票入出力・台帳管理支援ソフトウェア「ApeosWare Record Link」を提供する富士ゼロックス。同社のワークショップでは、その場で書いた帳票を実際に読み込み・確認訂正するライブを行い、参加者は製品の特長や強みを体感していた。
富士ゼロックス インダストリービジネスソリューション・サービス事業本部 オファリング統括 業務ソリューションオファリング推進部 業務ソリューション2グループ 坂本岳氏は、「RPAによる自動かでは、紙の帳票をいかに取り込めるかがポイントとなります。当社ならではのOCRの精度やツールの使いやすさなどをぜひ体感していただきたいです」と話してくれた。
eFLOW5
Top Image Systemsの「eFLOW5」は、日々の業務で発生する請求書、契約書、検査票、申込書など、あらゆる紙文書をデジタル化するプラットフォームとなっている。同社の体感コーナーでは、請求書の取り込み作業について「eFLOW5」による効果性を実感できるワークショップを展開していた。
Top Image Systemsの福田氏は、「データ化されていなければRPAは本領を発揮できないので、紙の書類をいかにデータ化するかが課題です。複数のOCRエンジンを搭載した「eFLOW5」であれば、入力・確認などのワークフローも素早く提供できることを、要望の多い請求書の取り込みを通じて体感できる内容となっています」と語った。
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