1万円台のAPやMerakiも、中小企業の働き方改革需要に応えるシスコ:イベントレポートアーカイブ(1/2 ページ)
「企業向けは効果で設定が難しいし、そんなに規模は大きくないから」と、仕事のIT環境をコンシューマ製品の組み合わせで何とかしていた企業も多い。1万円台で、すぐ使えるシスコ製品が手に入るようになった。
シスコシステムズは2018年1月17日、同社の中小企業向けブランド「Cisco Start」の新戦略を発表した。Cisco Startは従業員規模100人以下の中小企業から1000人前後の企業までを対象にしたブランド。
新たにクラウドで設定を行える無線LAN製品「Cisco Meraki」や、1万円台で購入できる無線LANアクセスポイント「Cisco WAP125」などをラインアップに追加する。
「シスコ品質」を手軽に、どの業種、どの地域でも
元来「Cisco Start」は100人以下の中小企業向けに2015年9月に立ち上げたブランドだった。
日本の中小企業が持つ人材不足や生産性向上、ITセキュリティのリスクに加え、リモートアクセスや無線LAN化、オフィス外での作業に伴うビデオ会議のニーズなど、「働き方改革」の後押しもあり、2017年度(2016年8月〜2017年7月末)において、売上金額が前年度比で2.4倍伸びたという。
シスコシステムズ専務執行役員パートナー事業統括の高橋慎介氏は、「日本のシスコシステムズは、単独では数値を発表していないものの、二桁成長を実現した。その下支えはこのCisco Startによるものと言い切っていいだろう」と述べる。
中堅・中小企業の働き方改革支援に向け、ラインアップを強化
Cisco Startは当初100人以下の企業をターゲットとしていたが、より大規模な企業からの引き合いが多く、現在ではパートナーとの協業も奏功し、従業員数100〜1000人規模の企業でも普及しているという。
この点について高橋氏は「シスコのハイエンド製品の導入とともに、ローエンド製品も一気通貫で導入していただくケースが少なくない」と状況を分析する。
同ブランド普及の背景にあるのが、「働き方改革」だ。
中小企業では専任のITマネジャーはおらず、1人で何役もこなす必要があるため、導入するITツールに求められる機能や品質は高くなりやすい。効率よく、手間をかけず、ネットワーク機能やセキュリティ対策、コラボレーション環境を提供する機能が必要とされる。これに加えて、働き方改革に対応するには、テレワークなどの業務環境を整備することも求められる。
Cisco Startのラインアップには、ビデオ会議を軸にさまざまなコラボレーション環境を統合した「Cisco Spark」が含まれる。また、オフィス外のPCをマルウェアから守るための「Cisco AMP for Endpoint」により、たとえオフィスの外にある端末においても、マルウェアからの攻撃を防ぐことが可能だ。
ビデオ会議を「Cisco Spark」で、セキュリティを「AMP for Endpoint」で実施するデモ。働き方改革を実現する際に検討すべき基本的な項目を、Cisco Startのラインアップでまとめて導入できる
さらに、無線LANの設定や管理をクラウドで完結する「Cisco Meraki」もラインアップに仲間入りしたことで、「箱から取り出すだけで利用できる」環境体制が整ったといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.