検索
ニュース

AzureのAIで建設業界のデジタル化を推進するコマツ LANDLOGが本格始動へイベントレポートアーカイブ

多様な機器や資材の移動を、組み立て加工の工場のように細かく把握して精緻に分析、「最適化するために必要なこと一式」をプラットフォームとして提供するコマツの挑戦。その世界展開をクラウドAIが支える。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 ランドログはMicrosoft Azureを同社IoTサービスの提供プラットフォームに採用した。

 ランドログは建機メーカーであるコマツが中心となり、SAP、NTTドコモ、オプティムと共同で2017年に設立した企業。2018年2月末をめどに建設業界向けのオープンIoTプラットフォーム「LANDLOG」を公開する計画だ。同社では既にソリューション開発においてSAP Leonardoの採用を発表している。Microsoft Azureは同社が開発したソリューションをサービスとして提供する際のプラットフォームをになう形だ。

日本マイクロソフト社長 平野拓也氏(左)とランドログ社長 井川甲作氏(右)
日本マイクロソフト社長 平野拓也氏(左)とランドログ社長 井川甲作氏(右)

LANDLOGの狙い、AIの活用領域は?

 コマツでは、建機の情報をIoTを使って収集、活用する「Smartconstruction」を推進してきた。しかし、建設現場の生産性を向上させるには建機情報だけでは不十分だ。例えば、盛り土の進捗(しんちょく)状況を毎日観測して記録するといったことは従来難しい問題だったという。LANDLOGは、こうした問題を含む建設現場の課題全体をデータで解決するための、オープンなIoTプラットフォームとして展開する計画だ。

 例えば、前述の盛り土などの現場の進捗管理を目的に、ドローンを使った3次元計測を行う「日々ドローン」を米国のベンチャー企業と協同で開発、ドローン+エッジサーバEdge Box」の組み合わせで提供する計画もある。日本には既に20台用意があり、3月からは量産体制を整える予定だ。

LANDLOGの概要
LANDLOGの概要
「日々ドローン」。作業日報を書かずとも、ドローン計測で詳細な情報を記録できる仕組みだ。エッジサーバとクラウドを連携する
「日々ドローン」。作業日報を書かずとも、ドローン計測で詳細な情報を記録できる仕組みだ。エッジサーバとクラウドを連携する。

 LANDLOGの井川甲作社長によると、Microsoft Azure採用の理由は2つ。1つは、グローバル分散データベースプラットフォーム(Cosmos DB)を評価したこと。もう1つは、グローバルでサービスを提供できることだ。同社では2018年内にもグローバルでのサービス提供を計画しており、LANDLOGが提供するサービスとMicrosoft Azureのインフラを地域を選ばずにまとめて月額制のサービスとして利用できるようになる。

 井川氏によると、これら2つに加えて、Cogitive ServicesのAI機能も評価した。現在、同社ではCogitive Servicesの画像認識を使った工程管理や輸送管理の最適化支援サービスも開発中であり、間もなくベータ版の公開を予定しているという。

 「画像認識技術を研究開発ではなく実用の場に提供することが重要」(井川氏)

現場の機器や資材の状況をAIを使って自動収集。工場の生産工程管理のようにきめ細かな情報を得られる
現場の機器や資材の状況をAIを使って自動収集。工場の生産工程管理のようにきめ細かな情報を得られる

 この発表に際して、日本マイクロソフト社長 平野拓也氏は、米マイクロソフトのナデラ氏の発言「あらゆる企業はソフトウェア企業」を引用、2017年末に発表された富士通とのグローバルでのAI分野での協業などを例に、今後もランドログをはじめとする顧客企業との協業、パートナーとの協業、共創を推進していく意向をあらためて示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る