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バッテリーレスの環境発電IoTデバイス「EnOcean」とは?5分で分かる最新キーワード解説(5/5 ページ)

IoTデバイスへの給電を不要にするバッテリーレスの「EnOcean」。数キロをカバーするエリアへと進化した新たなEnOceanの実力とは?

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EnOceanアライアンス

 EnOceanを中心にIBMやローム、ハネウェルなどを含む合計9社がプロモーターとなり、現在約180社が正会員、230社以上が準会員として登録されている業界団体だ。

「EnOcean」との関連は?

 EnOceanの技術を利用した製品の相互運用性を確保するため、各社の製品はアライアンスの認証制度で認証され、認証製品には認証ラベルが貼られる。そのラベルがあれば、どのメーカーの製品であっても相互運用性が保証されていると考えていい。

LPWA

 「Low Power, Wide Area」の略語で、低電力で比較的広域をカバーする無線通信方式のこと。具体的にはアンライセンスバンドを利用するSigfoxやLoRaWAN、ライセンスバンドを利用するNB-IoT、LTE-Mなどの方式のことをいう。

「EnOcean」との関連は?

 「EnOcean」はBLEやZigbeeが担う近距離エリアの通信よりもやや遠距離をカバーする規格だが、「EnOcean Long Range」は同社独自のLPWAである。他のLPWA各方式に迫るカバーエリアをもち、比較的高速通信が可能だ。

アンライセンスバンド

 特定小電力無線システムが利用している無線局免許が不要な周波数帯のこと。別名「ISMバンド」とも呼ばれるが、これは「Industrial、Scientific and Medical」に使えるバンドという意味で、産業界に開放されている。以前は2.4GHz帯だけだったが、2012年から920MHz帯もアンライセンスバンドになった。

「EnOcean」との関連は?

 「EnOcean」もアンライセンスバンドを利用する規格だ。無線通信仕様に関しては同社が開発したネットワーク層、データリンク層、物理層の仕様が国際標準規格ISO/EC 14543-3-10、14543-3-11として採択されている。

 主流は928.35MHz帯だが、他のLPWAなどが利用する928MHzまでの周波数帯よりも「.35」だけ上であるため、電波法上の制約が違う。

 他の方式では最大送信時間100ミリ秒以下、1時間あたり3.6秒以内という条件が課されるが、928MHz超の領域では最大送信時間50ミリ秒以下という制限はあるものの、1時間あたりの送信時間の制限がなくなる。EnOceanの1回の通信で送れるペイロードは30バイト程度だが、50ミリ秒ごとに何度でも送れるので、情報量が多くできるとともに、センサーなどの情報をよりリアルタイムに送れることになる(例えばLoRaWANだと1回送信したあとに4.4秒の間隔を空けなければならない)。

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