ビジネスチャット3製品を比較、話題のSlackも紹介(2/4 ページ)
チャットアプリは便利だが、仕事でちゃんと「使える」ツールとなると限られる。「Slack」「ChatWork」「LINEWORKS」の使ってみないと分からない便利な機能を基礎から紹介する。
既存の社内コミュニケーションツールとビジネスチャットの違い
UIと利用文化の違いの他にも、既存の企業IT文化と異なる部分が幾つかある。ポイントを挙げてみよう。
メールとの違い
チャットのメリット
- スパムメール、迷惑メール、広告メールが届かない
- To、Cc、Bcc入力の手間がない
- リアルタイム性が高い
- メッセージ送信後の削除、訂正が可能
- PC、スマホ、タブレットのそれぞれが利用可能
- 大容量ファイルの共有が可能
- 目的の相手と音声通話、ビデオ通話が可能
メールのメリット
- 誰でも利用経験があり、社外とのやりとりにも好適
- 一覧、検索、抽出などの操作が容易(メーラーに依存)
- 証跡保存、監査対応に好適
- 外部の人、内部の親しくない人に礼を失しないマナーが浸透
社内SNS、社内ブログとの違い
チャットのメリット
- 情報の迅速な共有が可能
- 業務関連メンバーだけの小さな単位でクローズドな場が持てる
- グループ(テーマ、ルーム)別に時系列にメッセージが整理される
- 個別のメンバーといつでもグループを構成可能。1対1の会話も可能
- タスク依頼、管理、確認がツールによっては簡単
社内SNS、社内ブログのメリット
- テーマに対して広く意見、コメントを求められる
- 情報発信がメイン、情報共有対象が広く不特定多数の場合に有利
- 利用者の偶然の出会いを促進
- 検索、再利用が容易でストック型の情報共有に好適
グループウェアのチャット機能との違い
グループウェアとしての機能がメイン、チャットはその機能を補完するためのアシスタントツールのような位置付けであり、ビジネスチャットとは方向性が異なる。
インスタントメッセンジャーとの違い
そもそもインスタントメッセンジャーでのコミュニケーションで1対多や多対多の通信が行われていたのが「チャット」の始まり。基本機能面では差がないが、セキュリティ面、機能面、操作性面で後発であるビジネスチャットツールのほうが優れている部分が多い。また次の個人向けチャットツールと同様の弱点がある。
個人向けチャットツールとの違い
プライベートチャットと業務用チャットとの区別が難しく、情報漏えいの可能性が大きい。メンバー制限が限定的で外部への不正通信窓口になる懸念もある。さらにログの取得ができず、通信内容の監査ができないなど、IT部門の監視も効かない「シャドーIT」になる可能性が高く、セキュリティ、コンプライアンス面で問題がある。
一方ビジネスチャットツールには、例えばユーザー管理やアクセス制限、ログのエクスポートなどのセキュリティ機能が盛り込まれている(ただしサービスやプランにより違いがあり、機能実装に別途ツールが必要な場合もある)。
ユーザー管理
ユーザー登録が行えるのは管理者だけとし、部外者を勝手に登録できないようにし、ユーザーアカウント、組織、グループを管理可能にする。
アクセス制限
端末IPアドレスやデバイス認証によりアクセスできる端末を制限する。ネットワークIPアドレス、ブラウザ、通信キャリア別のログイン制御、各種2要素認証、自動ログオン禁止、シングルサインオン(SSO)対応など、さまざまな手法が利用できる。Active Directoryとの連携・同期機能を備えるものもある。
ログのエクスポート
チャットやファイルアップロード、ダウンロードなどのログを保存し、監査の必要があればエクスポートして調査・分析可能にする。
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