イヌ専用の脳トレ? ネコ専用のVRゲーム? ペットのためのヘンテコIT:462nd Lap:金曜Black★ピット
人間がテクノロジーを活用して生活を豊かにしていくのは当たり前の話となった。これからはペットが最新テクノロジーの恩恵を受ける時代が到来しそうだ。身近なペットであるイヌやネコで興味深い試みが進んでいる。
まず、イヌの話。オーストリアのウィーン獣医科大学では、イヌを使った「脳の活性化」実験を進めている。ボーダーコリーがタッチディスプレイに表示されたマークを鼻でタッチしてはフードボウルへ戻るという行動を繰り返す動画が公開された。
一見すると単なる往復を繰り返しているようだが、実は「脳トレ」ゲームをこなしているのだ。イヌが脳トレ?
ルールは単純だ。画面に表示された2つのマークのうち、丸いマークにタッチできれば、ごほうびにフードがもらえる。数百匹のイヌで実験を行った結果、人間が数独パズルをやることで脳の活動が活発になるのと同様の効果が得られることが判明した。
この実験を主導する同大学のルートヴィヒ・フーバー教授によれば、イヌは飼い主に散歩に連れられていくだけでは脳の活動が活発化することはなく、こういった問題を解いて脳を刺激することで活性化につながるのだという。人間とともに暮らすイヌは、老齢化につれて認知症のような症状を示すことがあるから、その予防ができるかもしれないという。
一方、ネコの話。何とネコ専用のVRマシン「Cat VR ZOOS」が誕生した。小型のVRゴーグルをネコに装着することで、魚市場を駆け抜けたり大きなボールで遊んだりとさまざまな野性味あふれる体験ができるのだとか。世界初の「PVRR(Pet Virtual Responsible Research)」機器として注目を浴びている。
日本では室内飼いが多いネコだが、VRマシンが開発されたオーストラリアではネコは自由に飼われている。飼い猫による野鳥への被害が年間3億7700万件も発生し、10匹中9匹のネコが外出先から帰ってこなくなるといった問題もあった。
そこでネコの室内飼いを推奨すると同時にVRゴーグルを使ってストレスを解消させるという計画のようだ。なお、Cat VR ZOOSは事前予約を受付中だが、価格や発売時期などは未発表だ。
イヌやネコにとって、これらの試みが本当に彼らのためになるのかどうかは分からない。ひょっとしたら「素晴らしい!」ともろ手を挙げて大喜びしてくれるかもしれないが、単なる人間の自己満足に過ぎないかも……。
上司X: 「イヌやネコにもITの力を!」という話を紹介したよ。
ブラックピット: イヌの脳トレは分からなくもないですけどね。ネコ専用VRってエイプリルフールネタじゃないですか?
上司X: 俺もそうじゃないかと疑ったんだが、どうやら本当のプロジェクトみたいだよ。
ブラックピット: そうですか。
上司X: これでオーストラリアの不幸なネコが減るのなら歓迎すべき話だろう。イヌの話はどうだい?
ブラックピット: イヌも脳トレで脳の老化スピードが遅くなるのなら、いい話じゃないですか? ただ、ボーダーコリーってイヌの中でも別格に頭のいいイヌじゃないですか。
上司X: 確かに牧羊犬として活躍する知能の高いイヌだな。動画で見る限り、動きに迷いがないな。他の犬種であそこまでキビキビ脳トレができるかどうか。
ブラックピット: 人に得意不得意があるのと同じで、イヌだって脳トレが得意とは限らないと思うんですよね。ちなみに僕は、最近、VRゴーグルを買って野生を取り戻しています。
上司X: いや、ちょっと何を言っているのか分からないな。でも、人間はそうやって評価できるし、やるやらないの選択もできる。果たしてイヌやネコは……って、深く考えても仕方ないか。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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