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SFAとMAの視点から見た中堅・中小企業のCRM実像すご腕アナリスト市場予測(4/4 ページ)

顧客との関わりを考えていく上で重要なCRMだが、中堅・中小企業においての状況は? 調査データを基に概観する。

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クラウドと社内設置(オンプレミス)の選択はCRMでの注力ポイントの選択と同じ

 導入済みCRMの運用形態を尋ねたグラフの解説では、「MAは外部サービス連携などの理由でクラウド形態が受け入れられやすく、SFAにおいても外資系ベンダーを中心としてクラウド化(SaaS化)が進んでいる」ことを述べた。一方、導入済みCRMの課題を尋ねた結果では「SFAでは既存の業務システムとの連携が重要であり、MAではWebサイトやメールのデータ分析が不可欠」であることを述べた

。データ分析を行う際には一時的に多くのディスク容量やメモリ/CPUが求められることもあるので、システム性能を柔軟に変更できるクラウドが適している場合が少なくない。そのため「MAとしてのCRM活用」においてはクラウドが有力な選択肢となっていくと予想される。

 「SFAとしてのCRM活用」は判断が難しい。既存の業務システムが社内に設置されておりそれらとの連携を重視する場合にはCRMも社内に設置した方が良いかもしれない。だが、MAとしての役割も持たせたいと考えている場合にはクラウドも捨てがたい選択肢となってくる。

 つまり「SFAとしてのCRM活用」の場合は、元の目的である「営業担当者の管理/支援」に軸足を置くのか、それとも「さまざまな接点を連携させた顧客との関係深化」といった新たな役割を加えのるかによって、クラウドと社内設置(オンプレミス)の選択も大きく変わってくる。

 ただし、スマートフォンに代表されるIT機器は今後も生活の中に浸透し、企業と顧客との接点はますます多様化していくと予想される。そのため、SFAにおいてもクラウド化が進みつつある状況はCRM全体がMAとしての役割を高め、クラウドへとシフトしていく前兆と見なすこともできる。いずれにせよ、企業がCRMの運用形態を考える上では、コストではなく「CRMに何を求めるか」を念頭に置くことが重要だ。

このようにユーザー企業がCRMを活用する際には「何を目指すのか」「どこに注力するか」という目的意識を常に失わないことが何よりも大切となってくる。業務システム活用では気付かないうちにコストを抑えることが最優先事項となってしまいやすい。そうならないためにも、検討/導入/運用の各段階において、本来の目的を共有/確認するプロセスを設けるのが良いだろう。

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