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「隣の部署のデキる人材」を逃さない人材シェアリングとは?

求めていた人材は、実は隣の部署にいた。情報連携のない従来型の人材調達ではよくあることだ。人材不足の今、それでは求める人材をなかなか獲得できない。そんな人材調達を効率化する人材シェアリングとは。

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 早急な人材採用、人材調達が求められるなか、現在、企業の人材調達はどのように行われているだろう。各部署や事業部単位で個別に必要な人材を募集しているため、非効率的な人材調達に多くの時間を費やしているのではないだろうか。特に、昨今では、派遣社員など外部労働力を活用する際は、改正労働派遣法などの各種法令にも気を配る必要があり、契約管理の徹底も厳しく求められるため、管理部門も負担が大きい。

 このような背景を受け、SAPジャパンは、人財シェアリングプラットフォーム「SAP Fieldglass」を日本市場向けに提供を開始した。SAP Fieldglassは、人材調達からリソース管理、契約管理までのフローを一括してサポートし、現場の人材雇用に関わる問題を解消するソリューションだ。クラウド型で提供されているため、部門や拠点をまたいでも情報を一元的に管理できる。リソース管理の対象には、自社社員に限らず、部門単位で雇用する派遣社員やフリーランスも含まれる。

 SAP Fieldglassの日本展開により、これから国内企業の人材活用と人材調達はどう変わるのだろうか。

人材シェアリングプラットフォームにより、人材情報を可視化できる
人材シェアリングプラットフォームにより、人材情報を可視化できる

従来型の人材調達では、企業優位性は獲得できない

 製品ライフサイクルは、年々スパンが短くなっている。企業は急激に変化する市場ニーズに対応するため、必要なスキルを持つ人材を必要に応じて素早く調達し、製品開発力を高めることが求められる。 

 例えば、IoT(モノのインターネット)技術を取り入れた新時代の自動車である「コネクテッドカー」に見られるように、自動車産業でもソフトウェア化が進んでいる。これからは自動車に特化したメカニカルエンジニアだけではなく、ソフトウェア開発の知見を持った人材も配置する必要があるなど、開発する製品に合わせた人材ポートフォリオを持つことが重要になる。ただ、サイロ化した従来型の人材調達は無駄が多く、コストが高くつく。人材調達のコストは最終的な製品価格にも転嫁されることを考えると、今の市場において優位なポジションを獲得することは難しいだろう。

機械学習を使ったシミュレーションにより、人材調達を最適化

 SAP Fieldglassは、従来の人材調達サイクルを効率化する。例えば、SAP Fieldglassに備わるダッシュボード「Live Insights」では、求めるスキルや地域で絞って検索することで「このスキルを持った人材はどこにいて、今、すぐに稼働できる人材は何人いるのか」といった情報が、リアルタイムに知ることができ、人材調達にかかる時間を短縮する。また、タレントプール機能では、働き手のスキルやキャリア、過去に行った作業内容やプロジェクト内での評価も登録でき、部署、部門問わず、社内全体で横断的に人材情報を共有できる。この登録データを活用すれば、例えば、部署Aで確保していた人材を、契約満了となる前に、同じスキルを求めている部署Bが自部署のプロジェクトへアサインすることも可能となる。

SAP Fieldglassに備わるダッシュボード「Live Insights」
SAP Fieldglassに備わるダッシュボード「Live Insights」

 注目したいのが、このLive Insightsは機械学習を採用している点だ。現在、SAP Fieldglassは世界180カ国、650社の企業で利用されており、日々、莫大(ばくだい)な利用情報がSAP Fieldglassに蓄積されている。この実績データをもとに、「その技術を持っている人材を調達するには、今後、どれくらいのコストになるか」「今の調達状況が続くと、そのスキルを持つ人材が不足するのはいつ頃か」といったシミュレーション情報を知ることができるのだ。

市場のベンチマークを基に調達にかかるコストをシミュレーションする
市場のベンチマークを基に調達にかかるコストをシミュレーションする

日本向けにローカライズされた契約管理機能、日本の法令にも準拠

 SAP Fieldglassの機能は人材調達の面だけではない。採用から、契約、請求処理までの人材雇用に伴う一連の業務プロセスも一括してサポートする。SAPジャパンは、SAP Fieldglassの日本展開に当たり、1年以上かけてローカライズしてきたため、備わる契約管理機能も、改正労働契約法、改正労働派遣法、準委任や請負契約であれば下請法といった日本固有の法令要件に準拠している。SAPジャパンは、SAP Fieldglassを「サービス調達クラウド」と位置付けているが、その理由は、調達における全てのプロセスを包括してサポートするという、まさにこの点にある。

 今後、SAP Fieldglassを本格的に日本で展開するに当たり、直近の3年間で大手企業を中心に数百社の導入を目指す。4年目以降から、中小企業にも展開する考えだ。

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