セキュリティ市場の成長は「回復力」がキーワード
IDC Japanの調査によれば、国内情報セキュリティ市場は拡大傾向にある。2017年度の市場規模は1兆554円で、2022年には1兆3472億円まで成長すると見込まれる。
サイバー攻撃が悪質化する現状を踏まえて、企業のセキュリティ製品に対する投資意欲は引き続き強いようだ。また、2019年から2020年にかけて世界的なスポーツイベントが日本で開催されることもあり、標的型攻撃の多発や重要社会インフラへの攻撃の増加が懸念される。
IDC Japanの調査によれば、国内情報セキュリティ市場は拡大傾向にある。2017年度の市場規模は1兆554円で、2022年には1兆3472億円まで成長すると見込まれる。ポイントは、セキュリティ被害からの回復力(レジリエンス)強化だ。
クラウド環境のセキュリティ対策需要が増える
IDC Japanでは、情報セキュリティ市場を「セキュリティソフトウェア市場」「セキュリティアプライアンス市場」「セキュリティサービス市場」の3分類で分析する。
2017年のセキュリティソフトウェア市場規模は2441億円だった。自治体の強靭(きょうじん)化施策が一段落したことで成長率が鈍化したものの、EUの一般データ保護規則(GDPR)をはじめとする法規制やコンプライアンス対応需要の高まりを受け、2018年は前年比成長率3.2%と予測する。2017年から2022年までの5年間の年間平均成長率(CAGR)は3.5%で、2022年の市場規模は2892億円になる。
セキュリティアプライアンス市場では、レジリエンスを高める製品としてUTM(統合脅威管理製品)やIDS(不正侵入検知製品)、IPS(不正侵入防止製品)などが、エンドポイントセキュリティ製品との連携を強化している。2017年の市場規模は533億円で、2018年は前年比成長率12.6%を見込む。2022年までのCAGRは5.9%で、2022年の市場規模は710億円まで拡大すると予測する。
セキュリティサービス市場には、インシデントレスポンスサービスやフォレンジックサービス、マネージドセキュリティサービスなどが含まれる。2017年の市場規模は7581億円で、2018年は前年比成長率5.1%と予測する。今後は、デジタルトランスフォーメーションの進展によりクラウド環境を対象とするセキュリティサービス需要の増加が見込まれる。2022年までのCAGRは5.4%で、2022年の市場規模は9870億円に達するものと見込まれる。
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